My Lord.2 (ページ27)

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自室までたどり着くや否や
すぐにシリウスからの手紙を開けた。

“ To A

　この前の、奴の件は悪かった。
　俺の浅はかな行動が皆を危険に晒したのは
　反省している。

　勝手なことだと分かってるけど、
　また前みたいにお前と二人で話がしたい。

　お前と一緒にいる奴は、
　将来平気で人を殺すような集団に
　入ろうとしてるんだぞ。
　お前まで引き摺り込まれたら嫌なんだ。

　悪いことは言わない、お前のために忠告してる。
　
　返事待ってる。 S.B. ”

今更何を、とAは思った。

スネイプをからかうのをやめない限り
シリウスと話すことはないとルーピンに伝言
させたにも関わらず、
数ヶ月経ったこのタイミングで手紙をよこすとは。

しかも先日彼はスネイプを唆して
満月の夜に叫びの屋敷へ行くように仕向けたのだ。

未だに悪戯仕掛け人達はスネイプへの攻撃を
エスカレートさせており、シリウスに対する
不信感や怒りも増していた。

もちろんスネイプから相手に攻撃を仕掛けることも
あったが4対1では数が違う。

シリウスと話さなくなった当初は
急に縁を切ったことを悪いと思っていたが、
今ではほとんど彼に良い印象を持てなくなっていた。

“ To シリウス

　貴方があの満月の晩にした事にはガッカリした。
　もう少し後先考えて行動できる人だと思ってた。

　あと、ご丁寧に忠告ありがとう。

　でも私は自分の友達は自分で決めれる。
　それに将来だって誰にも左右されないわ。

　私のこと考えてくれているならもう話さないで。
　やっぱりスネイプ君がからかわれるの、
　見て見ぬふりできないの。
　寄ってたかって攻撃するのもやめてほしい。

　それができないなら今度こそもうさようならだよ。

　シリウスは優しくて強い男でしょう？
　貴方の良いところ、もっと伸ばしてほしい。
　
　A”

時間をかけ、精一杯優しく書いたつもりだった。

フクロウに頼むのも面倒だったので
書いた便箋を折り鶴にして飛ばした。
城内ではこの方が相手への伝言に手っ取り早い。

『はー、試験で忙しいときに
　余計なことしてくれるなぁ。』

Aは軽く翌日の試験教科に目を通し、
疲れを取るために早めに寝床へ入った。