My Lord.2 (ページ26)

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さすがの試験、気力だけで
乗り切れるほど甘くはない。

長時間机に向かって集中力を保ち続けるのは
なかなかに骨が折れた。

Aは試験初日をなんとか乗り切り
大広間でスネイプと夕食を摂っていた。

『1日目でもう8割の体力使い切ったわ！』

「きっと後半に向けてのスタミナの残し方
　知らないのはお前だけだ。」

『うそ、スネイプ君は疲れてないの？』

「今日は魔法薬学もあったし、
　割と得意な教科だったから。」

『あー確かに。
　初日に魔法薬学終えられたのは大きいわ。
　もし後半に受けることになってたら
　そのことしか考えられなくて
　他の教科に集中できなかったかもしれない。』

「あとはお前の得意なのばっかりだろ。」

『そうでもないよ、DADAだけは O(優)
　獲ってやるんだーって思ってるけど。』

Aがガッツポーズして意気込んでいると
上からフクロウがポトッと一通の手紙を
落として行った。

『なんこれ。』

Aが青い封筒の裏を見ると
黒い文字でS.B.と書いてあった。

スネイプに見られないよう手紙を
素早くローブの中に入れる。

「誰からだ。」

『お、お父さんから！
　なんか嬉しくない報告だったら嫌だから
　部屋に戻ってから開けるわ。』

「本当か？」

『うん、気にしないで。』

Aが父親とよく手紙を出し合っていることを
スネイプも知っていたので、特別に疑うこともなく
軽く頷いて皿に乗ったものを食べている。

Aはこっそりとグリフィンドールの席を見る。

いつから見ていたのかジーッとAを
見つめるシリウスと目が合う。

どう言うことよ、という視線を送れば
向こうからは手紙を読めと言われるようだった。

隣に座るポッターに話しかけられても
彼からの視線は変わらずAにあり、
こちらを向きながら彼に返事をしていた。

彼が何を考えてるか分からず
見られていることも嫌だったので、
急に席を立ち大広間を出る。

『ご馳走様、先に戻るね！
　やっぱりお父さんからの手紙今開けるわ！
　明日からも頑張ろうね！
　じゃあまた、スネイプ君！』

「おい、待てホワイト。」

矢継ぎ早に挨拶を済ませたAは
スネイプが呼び止めても振り向きもせず、
足早に去って行った。