My Lord.2 (ページ22)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:59,923 hit

...62 ページ22

「ねぇあなた、最近ここに来るの
　多くないかしら？」

静かな夜、
ミセス・ノリスがお気に入りの梁の上から
猫の姿のAを見下ろす。

『だってー、勉強疲れるんだもん。
　たまには休憩もしないと煮詰まるからさっ。』

Aも柱を伝って登り
ミセス・ノリスの隣にまで来る。

5月も終盤に入り、ついに数日後に迫った
O.W.L.試験のため
毎日勉強に次ぐ勉強で体力も気力も擦り切れていた。

「人を気分転換の道具みたいに、全く。
　私だっていつでもあなたとお喋り
　しているほど忙しくないのよ。」

『怒んないでよミセス様～。
　いつもここでボーッとしてるじゃん！』

「馬鹿ね、こうしてここに座って
　考え事に耽っているのよ。
　まだ子供のあなたには分からないでしょうけど、
　こうして月を見ながらゆったりした
　時間を過ごすのが好きなのよ。」

Aも彼女の隣に伏せるような形で座ると
ちょうど柱と柱の隙間から綺麗な満月が見えた。

『うわぁ、綺麗だ。』

「でしょう。」

『ねぇ、私が入学する前のホグワーツのこと
　教えてよ。』

「そうね。
　クリスマスの日には
　ダンスパーティーも開かれたことが
　あったかしら。」

『へぇー！それ楽しそうだね！
　他には？？』

「今より厳しい校則もあったんだけど、、、、

そんなことを話していると二人の乗る梁の下、
長い廊下を歩いていくダンブルドア校長が目に入る。

何やら医務室の前で合流したスラグホーン
教授と話している。

恐る恐る二人、もとい二匹は廊下に降り
校長達の会話に聞き耳を立てる。

「それで、彼の怪我は大丈夫かの？」

「えぇ校長、足を引きずりながら城に入って
　来るところを私が見つけまして、
　マダムポンフリーに見てもらったところ
　大した傷じゃないと。
　念のため大事をとって今日は医務室に
　泊まるよう言ってあるそうです。」

「そうか、ならよかった。
　わしからは後日直接彼と話すでの、
　このことは気にせず過ごしてくれて構わん。」

「そうですか、寮監の私としても気になる
　ことですがなぜスネイプ君はこんな夜中に
　城を出ていたのでしょうか。
　然るべき理由でなければそれなりの処分を
　しなければいけません。」

「おぬしは気にするでない。
　そのこともわしの方から話しておく。」

(え、、、、スネイプ君が？？)