My Lord.2 (ページ18)

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『そんなことないよ、
　私たちも入ろう。』

「うん。
　でも本当につらい時は言ってね。」

軽く背中に手を添えてくれるリーマスと共に
Aは部屋の中へ進む。
高学年の生徒達に囲まれるスラグホーン教授が
目に入る。

自分達も一言挨拶し、
早速綺麗に並べられた豪華な料理に目を通した。

Aは待ちきれずケーキの方に向かう
リーマスを追おうとしたが、
後ろから教授に声をかけられた。

「やぁ、ミス・ホワイト。
　君とこうして話すのは今年の薬学の授業について
　面談したとき以来だね。」

『はいその通りです、スラグホーン教授。
　何で私なんかが招待されたのか分かりません。
　私は魔法薬学の成績だってそんなに良くない
　ですし、教授の特別な計らいのお陰で今年も
　授業を受けれているようなものじゃないですか。』

「確かに、それは否定しないな。
　でもあれだけ頼み込む生徒もそういない、
　君の熱意を買ったんだ。
　呪文学や闇の魔術に対する防衛術の成績も
　飛び抜けて良いと聞いていたし
　魔法薬学でもきっといい成績を残してくれると
　期待しているよ。」

『アッハハ、ガンバリマス。』

無理して魔法薬学を受けたいとまで思った
理由の人物がいなくなった今、
授業を選択したことを後悔していた。

そしてこれから卒業までの2年余りを
彼の助けなしに乗り切るのは絶望的だと
半分白目を剥きながら答えた。

とりあえずスラグホーン教授の元から
離れたAはリーマスのいるテーブルに
移動した。

立食スタイルのこの会場は、いつしかお皿やグラスを
片手に移動する生徒でいっぱいだった。

「教授との話、どうだった？」

自分の元に来たAに気づいたリーマスは、
口に入っていたケーキを飲み込んでから話した。

依然彼の皿にはケーキが山盛りだ。

『いや別に、大したことじゃないよ。
　魔法薬学期待してるよって言われたけど
　私得意じゃないのよね。』

「でも今年から薬学は選択制だよね？
　どうして他のを選ばなかったんだい？」

Aも料理やケーキを皿に取りながら話す。

『なんとなくスキルアップのため。
　今になって絶賛後悔中よ。
　あんなに難しいと思ってなかったもん。』

「そうか、君は熱心なんだね。
　実は僕もあまり得意ではなくてね。
　みんなが取るって言ったから僕もとりあえず
　選択したんだ。」

この場合のみんなとは、悪戯仕掛け人達の
ことで間違い無いだろう。