My Lord.2 (ページ17)

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スネイプとは翌日から話さなくなった。

互いに避け、Aは2年前のように
一人の状態に戻った。

今日はスラグホーン教授が主催するパーティー。

先日ホグズミードで一人洋装店に足を運び
店員さんにあつらえてもらったワンピースに
袖を通す。

小物などもオススメの物を揃えてもらい、
簡単なヘアアレンジまで教えてくれた。

濃紺で、長い袖がレースになっているワンピース。
前のくびれ部分にはリボンがついており
とても上品な印象を与える。

白く輝くヒールに足を通し、髪をまとめて
アクセサリーをつける。

ここ二週間は何をしても満たされない、
ずっと気持ちも沈んだままだった。

正直ルーピンと楽しめるか分からなかった。

食事の味もしないような日々を過ごしてきたのだから
当たり前と言われれば当たり前だ。

若干彼に申し訳ないと思いつつ
無理にテンションを上げることもなく自室を出た。

談話室を通る際、読書にふけるスネイプが見えたが
彼に目もくれず真っ直ぐに廊下へのドアを開ける。

「やぁ、その、とても綺麗だね。」

ドアの前ではタキシードに身を包んだ彼が
すでに待っていた。

『ありがとう。
　あなたも素敵よ、ルーピン。』

「A、
　リーマスと呼んでくれって言ったじゃないか。」

『そうねリーマス、お待たせ。
　さぁ行きましょう。』

わざと談話室に聞こえるよう大きく言い、
鳶色の髪をした彼の細長い腕に自分の腕を絡める。

そしてドアをゆっくりと閉めた。

会場であるホールまでの道、
リーマスが何か話していたが覚えてない。

なんだかやはり気分が乗らない。

スネイプは私の方を見たか、
私たちの声は聞こえていたか、
どう思ったのだろうかとか
そんなことしか考えていなかった。

隣の彼に、適当に相槌を打ちながら歩いていたら
会場の目の前でポッターとエバンズに会う。

「あら、あなた達も今来たの？」

「リーマス！どうだい今日のリリーは！
　見てくれよ、今までで一番綺麗だ。」

「それ毎日言ってるじゃないか。
　それよりエバンズさんは君に
　エスコートさせてくれたんだね。」

「えぇ、消去法で仕方なくよ。
　ポッターしか残ってなかったの。」

三人が笑う中、やはりAは
どこか上の空だった。

「A？」

自分を覗き込むリーマスに意識が戻る。

『へ？』

「どこか痛むかい？
　もしかしてあまり体調良くなかった？
　気づかなくてすまなかったね、、。」