My Lord.2 (ページ13)

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リーマスside....

彼女と最初に話したのは4年生の始まり、
特急の中での出来事だった。

シリウスと話す彼女は気怠げで
どこか心に闇を纏っている気がした。

しかしその横顔に惹かれている自分もいた。

彼女についての噂も聞いたことはあるが、
元々寮も違うし接点がなかったためか
顔すら知らなかった。

彼女のことが気になり、
去り際にわざとチョコレートを落とした。

それからも彼女と話せる機会は全くなかったが
無意識に大広間での食事のときや
スリザリンとの合同授業の時は彼女のことを
目で追っていた。

人狼である僕なんかがこの想いを進展させた
ところで彼女に迷惑をかけるだけだから
そっと見守るだけでいいと思っていたんだ。

しかし4年生の時、満月の夜に僕がいつものように
叫びの屋敷に足を踏み入れれば
その日は先客がいた。

僕の姿を見て固まっている小さな猫がいた。

彼女の匂いを嗅ぎ様子を伺っているといきなり
パンチを繰り出されたが体の大きい僕は
びくともしなかった。

後にシリウスからA・ホワイトだと
聞かされ驚いた。

まさか彼女がアニメーガスだったなんて。

そしてシリウスとずっと一緒に過ごしていたことを
知り少し彼を妬んだ。

それからは満月の度に友がいてくれるので
前よりも自分をセーブできている気がする。

いつかAさんにもお礼がしたいと
思っていたが、相変わらず話しかける
タイミングがなかった。

彼女はいつもスネイプといるし、
その間に僕が入っていくのも気が引けた。

僕は表立って彼をいじめているわけではないが、
間違いなく彼は僕のことを恨んでいる。

そんな中、スラグホーン教授が主催する
パーティーがあると呼び出され、
これは彼女と話せるいい機会だと思った。

満月前で少し体調が悪いんだと仲間に告げ、
一人早めに夕食の席を立った。

そして彼女が現れると緊張はしたが
なんとかパーティーに誘えた。

浮き足立っているところを悟られまいと
笑顔で握手しようとしたところ、
後ろからスネイプが現れて彼女を連れ去った。

奴はパーティーに出ないと言っていたし、
どういう意図で連れ去ったか分からないが
僕はひとまず約束を取り付けたことに満足していて
それ以上は彼女を追えなかった。

『ちょ、ちょっと！』

という背中はすぐに見えなくなった。

「かわいいな、やっぱ、、、、。」