My Lord.2 (ページ1)

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年も明けクリスマス休暇が終わり、
城の中はプレゼントの話や休暇中の生活に
ついて話す生徒達でいっぱいだった。

1月9日の朝、Aはスネイプに贈る予定の
羽ペンとインク壺セットを
フクロウ小屋に取りに行った。

学校から出られなかったので父に代わりに
買ってもらい、学校まで届けてもらったのだ。

父はAが使うものだろうと思い込み
特に誰に贈るなどと疑いもせず
フクロウに託してくれた。

無事に小包を受け取り、
自室に戻ってきちんと包装もした。

スリザリンカラーの深緑と銀色の包装紙。
それに文具セットを包めば真っ黒の細い紐で
十字に結び完成だ。

少しだけお小遣いを奮発して買った
ブランドものの羽ペン。

仏頂面な彼を喜ばせたいと思い、教科書の間に
箱を忍ばせ授業に向かった。

一限が始まる前。

Aが教室までの廊下を歩いていると
前にスネイプとエバンズが話しているのを見つけた。

さすがは彼女だ、誰よりも早く一番に
スネイプにおめでとうを伝えている。

彼らにバレないようAは物陰から
様子を伺う。

するとエバンズはスネイプにプレゼントを渡した。
綺麗に包まれた縦長の箱からは、
なんと偶然たるや羽ペンが出てきた。

とても嬉しそうにする彼の顔には微かに笑みが。

あぁもう自分の出る幕はないと踵を返し、
俯きながら来た道を戻る。

これ以上彼らを見ていられなくなり
遠回りをして薬学の授業に向かおうとした。

(( ドンッ ))

「おやお嬢さん、しっかり前を向いて
　歩いてくれないと困るなぁ。」

顔を上げると目の前にはニヤリと笑うシリウス。

その声でスネイプとエバンズもこちらを向き
Aの存在に気づく。

『ご、ごめんなさい。』

Aは再び下を向く。

「おいスニベルス！
　僕のリリーと何話してんだ！
　そして持ってるそれはなんだ！？
　リリー様から貰ったのか？」

Aとシリウスの横を通りながら
ポッターがスネイプとエバンズの元に
大股で迫っていく。

「私は貴方のものになった覚えはないわ！
　それに私が彼に何か贈ろうと
　貴方には一生関係のないことよ、ポッター。」

「リリー、いい加減こんな奴とは縁を切って
　早く僕のところに来てくれないか。」

「絶対に嫌よ！」

両手を広げリリーを呼び込みたいポッター。

彼を睨みつけるスネイプ。
その隣に苛立ちを隠せないエバンズ。

Aは彼らに背を向けた状態で立っている。