AM8：00、 (ページ3)

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ep.3 ページ3

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『なに？』

今まで合わなかった視線がバチっと音が鳴るように合わさった

「…っえ、あ、いや、ううん、」

合うとは思わなかった視線と、急な問いかけに信じられないほど下手くそな返事をしてしまった

…気持ち悪かったかも

変な空気のまま前を向いて、こちらの気まずさなど知りもしないようにとんとん拍子で自己紹介が進んでいった

「おいー！おまえほんっまに自己紹介へったくそやな！」

「うるさい、本当にうるさい、純喜もへったくそ！」

帰りのHRが終わって早々斜め前の純喜が、振り返って茶化してきた

純喜だって、河野純喜です！サッカー部です、みんな折角やから仲良うなろー！なんて、陽キャ自己紹介の典型文じゃん

不貞腐れてるとあかりが「A、かえろ！」と声をかけてきて、純喜を睨みながら通り過ぎる

教室のドアを開けるのと同時に、

「たくみー！何遅刻してんねん！」

なんてでかい声が聞こえる

純喜って本当にどこにでも友達いるんだ

『いやー、家に誰もおらんくて気づいたら9時やってん』

「クラス替え早々遅刻って、不良と思われるんちゃう？」

『ほんまにいやや…』

楽しそうな会話だな、どんな顔して話してるんだろう、って気になってなるべくさりげなく後ろを振り返った

綺麗な顔をくしゃっと崩して笑う彼は眩しくって、すぐに目を逸らした

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