【夏目友人帳】油揚げを添えよう~弐~

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西村がほら、と指す方を見るとたしかにそこには最近たまに会う女の子がいた。

そして、彼女は西村の声に気づいたのかこちらを向いている。



「おい、夏目、話しかけてきてください…！」


とたん西村は気づかれたことが気まずくなったのか、おれに話を振ってきた。

少し呆れながら近衛に近づいた。



「久しぶり。」

「…あぁ…うん。…なにしてんの？こんなところで。」


今回もなんだか不機嫌そうな返事が返ってくる。

おれはなんだか、これがいつものことで、もう気にも止まらなくなっていた。


近衛がこんなところで、というのはこの駅周辺は博物館以外にとくに遊ぶ場所もないからであろう。


「西村達と博物館に行ったんだ。近衛は？」

「………知り合いの家に行ったの。」


なんだか発言までに時間があった気がした。

なにか核心ではない答えを探しているようであった。

だけどわざわざそれを追求するつもりもない。


「ななな夏目！普通に話すじゃんか！」


西村が声を少し裏返させながら会話に参加する。

近衛はそれをみてすこし眉をしかめた。


「近衛さん、おれ、北本です。こいつは西村。夏目の友達同士、よろしくね。」


北本は西村と違い落ち着いた余裕のある様子で、軽い紹介をする。

近衛は眉間のシワを少し緩め、よろしく、と相手に届くにはぎりぎりの音量で答えた。

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