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勉強会はまた今度な、と言って田沼は森の奥へ消えていった。
残されたのはおれと、ニャンコ先生と倒れている近衛だけだった。
あれ、でも。
それだけじゃないはずだ。
だってここに、おれたちが運んだものが、あったはずだ。
近衛が、探していた、妖の、家。
「…ニャンコ先生…あの箪笥…！どこに…？」
「…気づくのが遅いぞ。」
どうやらニャンコ先生ははじめから分かっていたらしく、目を細めて俺を一瞥した。
「…先生は、どうなったか知っているのか？」
それは、近衛のこの状況と関係があるのか。
「…家に帰ったカギザはそのまま浄化した。」
「え…どうして…。」
「…必要がなくなったからだ。」
必要がなくなった。
それは、箪笥が、だろうか。
それとも、カギザのほうだろうか。
もしくはまた別のなにかだろうか。
必要がなくなったから消えた、のなら箪笥そのものの話なのかもしれない。
それが必要なくなったら、何が変わるのだろうか。
消えてしまって、無くなってしまうことは、悲しいことなのではないのだろうか。
じゃあ、カギザを家に返したのは………。
「……止めたほうが良かったこと…だったのか…？」
結局何一つわからない。
消えてしまったものからは何も見いだせない。
そこに存在しないものには、何も。
ニャンコ先生はおれの全体像をぼんやりと捉える。
何を考えているのかわからないその目は時折見たことがある。
達観した、その目は一体何を写しているのだろう。
「…あの妖は家に帰ることを望んでいた。それを叶えられて満足そうにしていた。それが、お前のしたことだ。」
それはニャンコ先生の気遣いだった。
不思議と安心を覚えるその言葉に、おれはなんとなく理解した。
カギザという妖は最初から消えることを望んでいたということを。
そしてそれは、その妖にとっては、嬉しいことだったのだということを。
そのうち、ニャンコ先生は変幻をして、大きな妖の姿になる。
その背中には先程よりは顔色が良くなっている近衛が寝かされていた。
「…行くぞ夏目。小娘を運ぶ。」
「…うん、頼むよ。」
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています この作品はもう更新されないのでしょうか？ (2020年10月22日 7時) (
レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
ふりかけ旨し - なんですかこの物語。好き(( (2019年4月8日 13時) (レス) id: e39bf45103 (このIDを非表示/違反報告)
夏猫 - とっても面白かったです！とても続き楽しみです！更新頑張ってください！ (2018年6月2日 13時) (レス) id: a26082a895 (このIDを非表示/違反報告)
零斗 - 面白かったです！続き、楽しみにしてます！ (2018年3月24日 15時) (レス) id: 48fec663c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2018年2月6日 20時
