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Aside





心底疲れ切った合宿初日、晩御飯の片付けをしながら深いため息をつく。



当番の私は厨房でひとりお皿洗いをする。



今日はとても恥ずかしいところをいろんな人に見せてしもた。


でもここにいる人はみんな、私のことを受け入れてくれるって勝手に思っとる。双子はわからんけど。

ずっと味方の太一、双子の次に長い付き合いの若利くん、私の事情に深入りせず仲良くしてくれとる烏野のみんな、よく絡んできてくれる黒尾さんとぼっくん。

そしてあの話のあと、食堂に戻った時に私を抱きしてめくれたマネージャーのみんな。


とても愛されていると実感している。




でも大好きだった双子を見ると過去がフラッシュバックしてしまう。

あの残虐な光景を思い出してまた涙が溢れてくる。



そのとき、厨房の入口に立つ誰かの姿を見つけ、急いで涙を拭った。




「…泣いているのか?A」




いたのは若利くんだった。




「どうして泣いているんだ?」




まだ治りきっとらん私の涙を見て若利くんが顔を覗き込んでくる。



「今日みんなに話したことで、昔の、嫌だった時のことを思い出してしもただけ。」



そういうと若利くんは黙って私の頭を撫でる。



若利くんの手に安心したのか私はさらに溢れてきてしまう。


「いつから私、こんな、弱なったんやろお、若利くん…」



若利くんは依然私の目をじっと見つめ、頭を撫でてくれている。



「いつも若利くんは私のこと甘やかしてくれるなあ」


小学校の全国選抜で仲良くなった若利くんに宮城に来てすぐに電話して、事情はなんも聞かずに、ただバレーに関わりたいって言う私の意思を汲み取って、中2のころからずっと白鳥沢のサポートをさせてくれとる。本当に甘えてばっかや。



私にとって太一より長い時を一緒に過ごして、心を許しとる人。








「愛する人を甘やかすのは、いけないことか?」






「…んえ、?」




突拍子もなく、ただ私の目を見てそう言う若利くん。




「え、ちょ、き、聞き間違い??」



衝撃で涙が全部引っ込んでしまった。





「俺はお前のことを愛していると言ったんだ。」




改めて愛の告白をしてくる若利くんを私はただ見つめ返すことしかできず



「出会った時からずっとAのことが好きだ」



真っ直ぐに見つめてくる若利くんに


「か、かんがえさせて、ください」


と弱々しく返すことしかできなかった。



若利くんが去った後、私は力なく床に座り込んだ。

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zero(プロフ) - スガさんのこうしの漢字、誤字ってます (2021年8月1日 0時) (レス) id: 0d7a47aa6b (このIDを非表示/違反報告)
るかち(プロフ) - 千花さん» コメントありがとうございます!スガさんもいいですねえ…あの人も夢主を支える(過激派)ですからねえ… (2020年12月6日 6時) (レス) id: 6d1a9a4ec9 (このIDを非表示/違反報告)
千花(プロフ) - 落ちは菅原さんがいいです! (2020年12月6日 4時) (レス) id: 3f06c5551a (このIDを非表示/違反報告)
るかち(プロフ) - ライムさん» リプありがとうございます!夢主支え続ける系川西太一、絶対いいと思って書いてみたら予想以上にハマり役でした…ありがとうございます! (2020年12月5日 20時) (レス) id: 6d1a9a4ec9 (このIDを非表示/違反報告)
ライム(プロフ) - オチできたら川西くんが良いです〜。ここまで夢主ちゃんを支えてきてくれたんだから報われてほしぃ..... (2020年12月5日 20時) (レス) id: 9da108d461 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:パン田くん | 作成日時:2018年5月19日 22時

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