【ハイキュー!!】女神を追いかけて来ました。【逆ハー】

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侑 & 治 side



合宿で3年ぶりに再開したA。


俺らが知ってる明るい茶色の髪じゃなくなって、黒髪に俺らの髪の色のメッシュが入っとった。


中学のAが引っ越す前より明らかに明るい顔をしとるのが腹立った。


俺らとAは、従兄弟っていうのもあったけどほんまに仲良しやった。


物心ついた時からずっと一緒に育ってきた。


当たり前のように俺らの家でAがメシ食って、一緒にバレーしとるのが俺らの日常やった。



小学校6年生のとき、俺ら3人の中でAだけがジュニアの全国選抜に選ばれた。


そん時に、「次は絶対3人で全国行く！」

そう約束した。


でも、


中学に上がってAが女子バレー部に入ってからや。俺ら3人がおかしくなったんは。


部活の時間が合わなくなったAは俺らの家に立ち寄らんようになった。


俺らが話しかけても笑ってくれんようになった。


それどころか毎日、笑うことなくひとりで過ごしとった。



だから俺らは心配して毎日Aのクラスに行って話しに行った。



中学2年になって、男子も女子も全国に行けることになった。



俺らは、やっと念願が叶うことを喜んどった。


でも



あいつは全中の初戦当日、現れんかった。



体調でも悪いんかと、俺らは心底心配した。



でも母ちゃんから告げられたのは、


「今日、遠いとこへ引っ越してったよ」


という無情な事実。



裏切られたっちゅう気持ちを初めて味わった。



深い海に沈められて溺れて窒息しそうな感覚。




その出来事から、俺らはAを恨んでいた。









でもそれが勘違いやったことを今日知った。



いじめられとったこと、知らんかった。


俺らのせいでAがいじめらとったんも、知らんかった。


おっちゃんとおばちゃんが離婚しとったことも知らんかった。


あんな辛い思いしたったことも知らんかった。



俺らは何も知らんかった。





それと同時に俺らは知ってしまった。





憎んでいたのは愛しているからだと。





「従兄弟」「幼馴染」





そんな肩書き全部どうでもいいほど、裏切られにも関わらず執着してしまうほど、狂おしいほど、




俺らはAが好きだ。






絶対に俺は、Aを振り向かせる。





そう心の中で誓った。

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