機微に触れる ページ23
・
『なんであの子俺に冷たいんやろ』
「え、何にも分かってないんや」
『何やその顔』
後輩のAと付き合い始めて数年経つものの、未だに彼女の生態が掴めない。いつも俺にデレデレな癖に今日はあからさまに冷たい。
「ほんまよくこんな男と付き合い続けられるわ」
『はーうるさ』
「まあお前が自分で原因見つけられんのやったら俺が教えたんで」
得意気な顔をするなかむらの腹に一発決め込み、早速原因究明に取り組む。
案外やきもち焼きやから、それ関係で彼女を怒らせているのだと思う。
「Aおはよー、今日も可愛いな」
「おはようございます」
『人の彼女口説くな』
「その割に全然京極に目合わせへんけどな」
『マジお前うるさい、あっち行け』
「はいはい、笑」
不貞腐れた様子で楽屋の椅子に腰掛けるA。正直その表情も好きで見ていたいけど、まずは彼女の機嫌を取るのが先。
『なあ、こっち見いや』
「、嫌」
『何が気に食わへんの』
「なんも分かってへんやんか」
口を尖らせて俺を睨んでくる。やっぱさっきなかむらに聞いておけば良かったかも。
「わたしは風斗くんのタイプやないんやろ」
『ん? 何言うてんの』
「昨日のライブでさ、年上で頭の良い女性がタイプって言ってたやん」
『あー、あれか』
昨日のコーナーライブで、フィーリングカップルというよくあるベタな企画をした。
交際発表はしていないから、なるべく彼女と付き合っていることを悟られないように真逆のことを言っただけだが。
『あれはわざとやから』
「わざと?」
『俺らが付き合ってんのがバレへんように、わざとAとかけ離れたタイプを言ったんよ』
「、そうなの?」
『当たり前やろ、お前が一番好きやから』
俺がそう言うと頬を赤らめて目を背ける。少しのことでも心配してしまう彼女を疎ましく思うことなんてないし、むしろその繊細さが可愛くて好き。
「あとな、夜は派手に俺と遊んでくれるところが好き」
『それは言わんでいいです』
「ふは、顔赤すぎ」
『今日も遊んであげてもいいですけど』
「ええの? ほな早く帰ろな」
機嫌を取られているのはどっちか。可愛い彼女のお誘いに思わず頬も緩まる。
相方がドア越しに俺らの会話を聞いているのがバレバレだけど、そんなことも気にならないくらい今の俺は幸せ。
「なんか幸せそうな顔しとる」
『おかげさまで』
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 554人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みら(プロフ) - しろさん» 理想通りすぎました…😭💗 ありがとうございました😽💞 (3月18日 18時) (
レス) @page24 id: 2f2253edcf (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - みらさん» リクエスト書かせていただきました! 今回もありがとうございます☺️☺️ (3月17日 21時) (レス) id: 04cbf0a3ac (このIDを非表示/違反報告)
みら(プロフ) - またまたリクエスト失礼します…❕ �眸耄�ｻﾝのお話で関西人で同期っていう設定（？）のお話がみたいです😿♡ ちなみにお付き合いはしてないけど距離が近めな設定だとうれしいです😭💗 (3月14日 13時) (レス) id: 2f2253edcf (このIDを非表示/違反報告)
みら(プロフ) - しろさん» いやめっちゃめちゃ理想通りで最高でした😭♡ ありがとうございます😿💗 (3月13日 10時) (レス) @page23 id: 2f2253edcf (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - らんさん» DMすごく嬉しいので、図々しいなんてことないです☺️ 忙しく更新にかける時間がないのでたくさんお待たせしてしまうとは思いますが、これからも読んでいただけたら幸いです🫶🏻🫶🏻 (3月12日 22時) (レス) id: 04cbf0a3ac (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しろ | 作成日時：2024年1月23日 0時
