貴女に見える色 ページ16
だから1度韓国語のレッスン先生が急遽来れなくなった時、代わりに教えて貰えって言われて入ってきたAﾋｮﾝに少し驚いて、彼の口から流れる流暢な中国語には声が出なくなるくらいびっくりした
Yn「すごい、中国人みたい」
『…、俺は日本人だよ』
Yn「！？？え、韓国人かと…」
『違うよ…さ、韓国語のレッスンだから、今からは韓国語で喋ってね？』
Yn「は、はい…」
そこから始まったレッスン
韓国に来て日が浅い僕は発音が難しくて苦戦してた、ヨウォンがつきっきりで教えてくれていたけど中々上達しない日々に自分で苛々する
話すのが遅いからかたまに向けられる煩そうな視線から早く解放されたい。優しいヨウォ二を早く喜ばしてあげたいのに、舌は思うように動いてくれなかった
『…ん、いいよ。次でラストにしよっか』
Yn「え、…もうですか」
『聞いてたより随分上手くなってると思うよ、きっと一杯練習、してるんだね』
Yn「…え」
『さ、最後…韓国語で今日の感想を言ってみて』
Yn「…は、い…」
中国語で説明されたそれは、僕にはまだ荷が重い…でも優しく言われて少し頑張れるような気がした
Yn「…今日、A、さん…来てくれました。中国語、上手い、びっくり、しました…それで…」
『うん…うん、それで？』
Yn「今日、勉強した、こと…早く、友達に、、あ、上達して、見せな…見せて、あげたい、です…」
『…ん、良くできました…お疲れ様』
Yn「あ、ありがとうございます！」
文章にしたらほんの数行を何分もかけて拙い韓国語で漸く喋りきった僕を彼は撫でて、中国語で頑張ったねって褒めてくれた
それに僕はいたく感動したのを覚えてる
言語がわからなくても考えてることは何となく伝わるものだ
現にいつも教えてくれる先生は苛つくとすぐに顔に出たし、言わなくても瞳の奥は影でこそこそする練習生と同じ色をしてるような気がした
だから早く上達してこの空間を卒業したくて焦っていたのかもしれない
けどﾋｮﾝは僕を急かすことも苛ついた色を瞳にのせることも一切無く話を聞いてくれた
焦っちゃだめだよ、ちゃんと上達してる、ゆっくり進めばいいんだよって穏やかな笑みで言われて肩の力がすっと抜けていくのがわかった気がした
彼とのレッスンは1回切りだったけどそれから僕は見る間に韓国語が上達した、ヨウォンや先生が驚くくらいにまでなったそれを彼にも早く聞いて欲しくて堪らなかった
結局次に会えたのはデビューの時だったんだけど
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 107人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「KPOP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
奏(プロフ) - ファニさん» コメントありがとうございます、実際どうなんでしょうね？笑 私の妄想内で好き勝手進むお話ですが楽しんでいただければ幸いです。またお暇なとき見に来てくださいね(^^) (2017年7月14日 16時) (
レス) id: 586618cfa2 (このIDを非表示/違反報告)
ファニ(プロフ) - Pentagonのメンバーになったらこんな感じなんだなぁと、思いながら、 読ませてもらっています。 頑張ってください^^ (2017年7月14日 10時) (レス) id: 787a0420f1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：奏 | 作成日時：2017年6月17日 11時
