掠れた思い出 ページ28
Side Suho
何がまずかったのか…
ー色々重なったせいでイライラしてたこと
ー大したことないと決め付けて深く考えなかったこと
ー大切な思い出を掠れたまま乱雑に仕舞い込んでいたこと
きっと全部、まずかった
セフンと喧嘩した
原因は俺がセフナの愛用してたマグカップを割ってしまったこと…(主にあの鹿野郎が悪いけど)
でもまぁ勝手に使ってしまったのは悪かったし割ってしまったんだからちゃんと何度も謝ったのに
なのにあいつは1日愚痴愚痴ぐちぐち言って…俺のことをAに言い付けて…好きなのを買ってやると言ってもいらないの一点張り
メンバーも全部俺が悪いとばかりに誰も庇ってくれないし…(鹿ヒョンはあの後死んだ目をしたマネージャーに引き摺られて直ぐ様帰国した)
終いにはあのマグカップは特別なんだってわかってたでしょと嫌味ったらしく言われて俺は久々にぶちギレてしまった
Sh「もういい!あんなカップ1つ何が特別だ!!っ知るかよ俺は悪くない!!」
顔も見ずにそう言捨てた勢いで部屋に戻って、かっかしてた頭が冷えると急速に襲ってくる自己嫌悪感は半端なかった
かといってまた謝りに行くことも、ヒョンの俺が譲って自分が全部悪かったんだと認めることも難しく…頭の中は理不尽な仕打ちを受けたことへの怒りの方が強かった
…だからわからなかったんだ、俺の背を可愛い弟が今にも泣きそうな顔で見詰めていたことを
Sh「…はぁ」
手にしたクッションに当たり散らすように投げ捨てて俺はベッドに飛び込んだ
Sh「…?」
いつの間にか寝てしまっていた俺は響いたノック音に起こされた
もう少し1人になりたいんだけど…あ、もしかしたらセフンが謝りに来たのかも
『ヒョン、入ってもいい?』
Sh「…A?」
滅多に部屋に来ない弟にびっくりして慌ててドアを開けると帰ってきた時には居なかったAが少しばかり窮屈そうに立っていた
Sh「帰ってたのか?お帰りA、どうかした?」
『…ん』
彼は中に促すと躊躇うようにちらりと俺を見てからそおっと近くに寄ってきた
ベッドに座った俺を見て床のラグに座り込んだAは俯いて何やら考え込んでいるようだ
Sh「どうした?…セフナに、何か言われた?」
しんとした空気に恐る恐る訪ねてみる
そう言えば仕事は別だったけど朝セフナが一番に泣きついたのは彼だった
マンネライン溺愛の彼が(Aもマンネラインだが)セフナの復讐に来た…とかだったらどうしよう
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作者名:奏 | 作成日時:2017年9月7日 17時