華麗なる彼女の3重生活 ページ13
『…おは、よ』
今朝早くに部屋に訪れたと思ったらそのまま力尽きた彼女をベッドに運んで数刻(死んだかと思った)、陽も高く上がった頃に彼女はまだ殆ど目の開かぬままリビングへとやってきた
改めてその隈の濃さとふらふらの彼女に驚きつつ珈琲を置く
むき出しの足にはなるべく視線を向けないようにブランケットを掛けた
「…おいA、大丈夫か?」
『え?…貴方はえーっとスコ…、緑、…いやそうそう、唯君だったわね、…うん、大丈夫』
「いや大丈夫じゃないだろ!!」
隣に座るとその少し窶れた頬をそっと撫でてみる
ぼおっとしたまま猫のように擦り寄ってくる彼女は大分お疲れのようだ
「…これだけ大人しいと可愛いもんだな」
『…、、いつもは可愛くなくて悪かったわね』
むすりとしたまま珈琲に口をつけるAに苦笑して頭を撫でる、寝起きの彼女は普段より幼くて格段に感情が分かり易い
「久しぶりだな」
『あぁ…うん、彼女…えーっと強盗じゃなくてほら』
「宮野明美か?お前まだ寝ぼけてるだろ」
『大丈夫よ…彼女、手続きやその他諸々は終わったから暫くセーフハウスに移動させることにしたわ』
「まさかそれでそんなになってんの…?暇な奴にやらせろよ」
『悪の組織も正義の機関も人員不足は同じなの…それに今回は殆ど私の独断だったから…まぁ、上に通すのに時間がかかったの』
「は?独断?」
『ふふ…今朝はごめんなさいね、でもおかげで一週間ぶりにベッドでゆっくり寝れたわ』
「…」
詳しくは聞くなと死んだ目を向けられて押し黙る
それにしても組織幹部キティに情報屋ラク、おまけに諜報員までして事務処理までしてんの?そんなの体が幾つあっても足りないだろ…
『それで取次は貴方に頼むって言ったじゃない?彼女のセーフハウスはこの近くだから暫く面倒見てあげてくれないかしら』
「別に構わねぇが…」
『私の身分は明かしてないから、貴方の主導ってことでお願い』
「は!?じゃあ今まで何て」
『ホテルから一歩も出ないようにとだけ言ってあるわ、護衛は1人つけてるけど…今のところ大人しくしてくれてるわよ』
「…」
姉の方は組織内での地位はそう高くなかったと聞いている、幹部のこいつに妹の命を握られてそういわれちゃあ大人しくせざる得ないだろ…
『極力私の素性は明かしたくないの、聞かれたら…ただの気紛れだとでも言っておいて』
「気紛れって…じゃあシェリーはどうするんだ?」
『あぁ、ちゃんと逃げたみたいよ』
「…は?」
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ココア - え…お終わり…更新……更新お願いします!ずっと待ってます (2021年4月29日 1時) (レス) id: ab23c258b6 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜 - この作品、とても好きで何度も読み返しています。そして毎回続きが気になる・・・。いつか更新される日がくることを願っております。 (2021年4月24日 15時) (レス) id: ba39ddeb66 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 終わり!?めっちゃ気になる(;´Д`) (2021年4月17日 20時) (レス) id: da421f7cc6 (このIDを非表示/違反報告)
Maho(プロフ) - 途中までですが、読ませていただきました!とても面白かったです! (2018年8月21日 11時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
しをり - こういう作品、待ってました!更新頑張ってください!応援してます! (2018年7月16日 18時) (レス) id: 0010456d6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奏 | 作成日時:2018年2月19日 0時