10億円強盗事件 ページ12
現金強奪を終えてフロントにケースを預けたところで拉致された女…宮野明美は銃を突きつけられたまま背後から聞こえた声に目を見開いた
少し低めの鈴の転がるような声…彼女はその声をよく覚えていた
『…お久しぶりね?』
「っ…キティ!??」
組織にいる頃何かと話題に上がるもののその正体を詳しく知るものはいない…
目をつけられれば跡形もなく消されると密かに囁かれる女幹部
その声は紛れもなく、あのジンのご主人様と言われる彼女だった
はいはい今まさにホテルの一室で修羅ばってますAでっす
パニクる彼女に思わず銃を押し付けちゃったもんだからいよいよ現場の空気が張り詰める
私は背後にいるけど彼女を拉致って貰った唯君は正面にいるから彼女が誰か気付いて驚いているご様子…
詳しく説明するの面倒くさいから色々省いたけど不味かったかな?まぁいいよね?(←)
「あれ?こいつラ…」
『唯君、お口にチャックよ』
「っ何故ここに貴女のような幹部が…目的は何!?」
どうどう、2人とも落ち着きたまえ
時間が無いのだ取り合えずお話を…
「へぇ、あの強盗の犯人がこいつとはねぇ…」
「貴方は一体…?っそれより離して!私にはもう時間が無いのよ…!!」
聞けやコラ、…あ
「っひ、…」
いっけね、思わず苛々がもろりとしちゃったよ…どうどう私、ひっひっふーだ
『時間が無いのはこちらも同じ…ということで唯君、説明して』
「は?俺は銀行強盗に無理やり巻き込まれた一般人を保護するからこいつを攫って来いって言われただけなんだが」
「え…?」
『まぁ、そういうことよ、説明ありがとう』
「…」
何となく腑に落ちない様子の彼を放っておいて困惑している彼女に袋を押し付ける
「っこれは…?いえ、幹部の貴方がどうしてこんなことを…!?」
『詮索は不要…シェリー、助けたいんでしょう…優しいお姉さん?』
「っ!!」
「…(すっげー悪そうな顔)」
いよいよ青い顔をした彼女にやることを一通り説明する、迷いながらも小さく頷いたのを確認すると私達は部屋を後にした
「…随分とキティモードだったな」
『何よキティモードって…彼女の保護は公安に頼むわ、…取次は貴方にお願いするから』
「え、つまりそれって…」
『死んだはずの英雄のご帰還、ってことよ…まぁ、もう少し先にはなるけどね』
「…」
この日強盗事件の犯人は全員死亡…
強奪された10億円もの現金はとある小さな善意の通報者により無事回収されたのだった
458人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ココア - え…お終わり…更新……更新お願いします!ずっと待ってます (2021年4月29日 1時) (レス) id: ab23c258b6 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜 - この作品、とても好きで何度も読み返しています。そして毎回続きが気になる・・・。いつか更新される日がくることを願っております。 (2021年4月24日 15時) (レス) id: ba39ddeb66 (このIDを非表示/違反報告)
優(プロフ) - 終わり!?めっちゃ気になる(;´Д`) (2021年4月17日 20時) (レス) id: da421f7cc6 (このIDを非表示/違反報告)
Maho(プロフ) - 途中までですが、読ませていただきました!とても面白かったです! (2018年8月21日 11時) (レス) id: e66d7d83c8 (このIDを非表示/違反報告)
しをり - こういう作品、待ってました!更新頑張ってください!応援してます! (2018年7月16日 18時) (レス) id: 0010456d6c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:奏 | 作成日時:2018年2月19日 0時