君と送る徒然草～日常編～第１章 (ページ3)

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SE warm ページ3

瞳に白光が差し込み眉間に力が入る
開かない瞼を叱咤しぼんやりと視線を彷徨かせるが身体が思うように動かなかった

自分の体が何かに包まれているのを認識したところで意識がふわりと上昇した

「……あれ、Aﾋｮﾝ…？？」

もぞもぞと振り向くとAﾋｮﾝが僕を緩く抱き締めて寝息も立てずに静かに眠っていた
よく見るとここは自分の部屋ではない

「………＜えーっと…あれ、僕何でﾋｮﾝの部屋で寝てるの？＞」

Aﾋｮﾝの綺麗な寝顔を凝視しながら自分の記憶を探っていると視線を感じたせいかﾋｮﾝの目がうっすらと開いた

『……は、よ。セフナ…、ぐっすり、眠れた？』

寝起きの掠れた声でAﾋｮﾝはいつもよりゆっくり言葉を紡ぐ
そこではたと昨日の記憶が蘇ってきた

「おはようﾋｮﾝ…ぐっすり寝れたよ、ﾋｮﾝのおかげで」
そう返すとﾋｮﾝはいつもは鋭い切れ長の目を細めてゆるゆると額を撫でてくれた

_______

昨日は深夜どころか朝方近い帰宅だったにも関わらず、なかなか寝付けなかった。

無理矢理ベッドに潜り込んで目を閉じてみるもいつもなら見ないような悪夢に魘されてすぐに飛び起きてしまったのだ。
同室のジョンイナを見るも盛大に布団を飛ばして熟睡していたため起こすのも憚られてそおっとリビングへ向かった

全員一緒になってからいつもは五月蝿すぎる宿舎も今は水を打ったように静まり返っていた

水を一口飲むと思わず漏れた息にさっき悪夢を見たことを思い出した
詳しくは覚えていない、けど、とても悪寒がするような怖い何かを見た気がする

何か、失ってしまうような、そんな夢

一度考えると何だかこうして一人でリビングにいるのも恐ろしくなって体がすくんでしまった

カタリ
「っひ！」
背後で突如鳴った物音に思わず飛び上がるとふわりと暖かい何かに包まれた

『…落ち着いて、、どう、したの？フニ？？』
そこから聞こえた声と包まれた体温に安心して思わず泣きそうになる、何でかはわからないけど

何も答えない僕を、ﾋｮﾝはくるりと体を反転させて今度は正面から優しく抱き締めてくれた

『大丈夫、だいじょうぶ、だよ。フニ…』

いつものどこかたどたどしいゆっくりとしたAﾋｮﾝの話し方に、漸く僕は強ばった体から力を抜くことができた

Aﾋｮﾝは何も言わないまま、
自分の部屋に僕を連れ帰るとベッドに入れてくれた。頭を撫でられて、とても暖かくて、、
僕は悪夢のことなんてもうすっかり忘れていた