優良物件/rbr テル ページ2
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恋なんてあまりにも無慈悲なものである。もう恋なんてしばらくは懲り懲りだ。そう思ったのはいつだったのだろうか。
いつも通り幼馴染に泣きついて、あやしてもらったことは覚えている。
「なんや、もう元気なったか？」
「うん、だいじょーぶ。ありがと」
背中を撫でられていた手が離れ、顔を上げるとニコニコと笑う幼馴染が目に入る。なんだそこまで深く考えてないのか。精々「また失恋したか」程度だろう。
「にしても、今回は誰？」
「××先輩。彼女いないと思ってたんだけどさ……」
ぐすぐすと文句を言いながら話す。くそ、あの態度は明らかに彼女いないと思っていたんだけどな。予想外にも彼女持ちだったらしい。地味に狙っていた分ダメージがでかい。
「ま、Aのことやし新しい恋探すやろ？」
「……いや、恋はもうしばらくいいかなって」
え？というような視線を投げかけられる。なんだよ私が恋しないと生きていけないような言い方して。生きていけるわ。
「そうなんか、へぇ……」
「いいでしょ、別にしばらくは懲り懲りだってだけだから」
「いやいや、予想外すぎて……」
普通に驚くからな、と笑いながら言われる。別に恋してもいいんだけどさぁ……
「フラれたら悲しいから、恋はしないの」
「ほー……なら、紹介したるか？」
……私の言葉に苦笑しながら相槌を打つだけだった彼が、提案をしてきた。なんだなんだとおもい耳を傾ける。
「絶対お前に飽きひんやつ、それなりに趣味も合うと思うけど」
「え、誰々！？」
つい彼の話す言葉に食いつく。こんな魅力的なはなしそうそうない。
「俺」
「……ええ？」
少し馬鹿にしたように微笑んで言われた言葉は、その単語だけであり。思わず声を漏らしてしまった。
(なんとお前目線の欠点は身長のみ！)
(……あ、たしかに！)
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