嘘で一途で/utu テル ページ1
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＿＿男の浮気は許しても、女の浮気は許してはいけない。なぜなら男の浮気は遊びで、女の浮気は本気だ、と。
どこかで聞いたことがある。事実、私は目の前に正座する彼は浮気魔であり、その彼女である私は彼一筋で。
これでもちゃんと彼から告白した？だ、なんて言いたくなるほどの凄惨さ。彼の辞書に「一途」という言葉は登録されていないらしい。
「ごめんて！ほんまに一時の気の迷い！！もう改心するので見逃してください！！」
「その言葉何回目なの……全く。
毎日毎日大先生の事待ちながらご飯作ってるのに帰ってきたと思ったらご飯食べてきたって言うし……」
「ごめんなさい!!!」
本当に申し訳ないと思っているのか、額を床につけて……土下座の姿勢をとる。とは言ってもこんなやりとりだって何回もしているため、彼の土下座に感じるものは特にないのだが。
「それ、何回目？」
「六回目です！！絶対改心します！！」
少し追い打ちをかけるように聞いてみる。それを聞くと彼はまたしても大声をあげながら謝罪してきた。……残念。今私が聞きたいのはそのセリフじゃない。
「言うのはその言葉じゃないでしょ」
「えっ……あぁ……！」
すこし照れ臭くなってそっぽを向きながら言うと、いつの間にか立ち上がった彼が私を抱きしめる。
「ごめんな、一番はAやで。ほら、こんなんプレゼントするのお前しかおらんわ」
そのセリフ、と言おうとした瞬間、目の前に差し出されたのはラッピングされた箱。もしかして、と開こうとすれば彼が言葉を続ける。
「いや、付き合い始めて長いやん。それで、俺意外とバレやすいからあんま家おりたくなかったんやけど……ってうわ！？」
「……ありがと」
彼の胸元にかおを押し付けていえば、驚いた顔をあと私の肩を掴んで言う。
「……待たせてすまんな。改心……はわからんけど、俺なりに頑張る。だからそろそろ、結婚とか」
「喜んで。浮気したら、トントンさん呼んでケツシバキしてもらうから」
「待ってや流石にそれは痛い」
少しは反省して私一筋になれ、という思いも込めて強く抱き締めてみた。すると、ゆっくり、力強く抱きしめ返された。
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