【d!】救えない君と終末を (ページ30)

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報告書28 ページ30

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「新人もおるけど、仲良うしてやってな！」

外、燦々と照りつける太陽。
色んな種族の入り交じった集会。

バシバシと背中を叩かれながら、軽く会釈をする。
集中する視線は好奇、嫉妬、嫌悪。

.....だと、思っていた。
案外なんとも思われてない様で、さっぱりと躱される。

女だから、徴無しだから。何か言われると思っていた。

事前にコネシマさんから、真面目に訓練受けてれば何も言われへんから安心しいや！とは言われていたもののの、ここまでとは。

嗚呼、なんと心地よい場所なのだろう。

「しぃっかりと、アップしていけ～？」

そんな緩い掛け声で、集団は走り出した。
後ろからコソ、と誰かに話しかけられる。

「アップは外周10周。」
振り返れば、知らない犬獣族。

「自分のペースで走れよ～。」
今度は下の方から声が。
紫小鬼だ。

優しい人達ばかりだな。
ありがとうございます、と微笑んで、そこそこのペースで走り出す。

正直運動は得意ではないが、いつかは戦場に駆り出される身。体力作りだけはしてきた。

あっという間に10週を走り終えれば、直ぐに立ち止まらずに速度を下ろし、歩く様に1周。

疲労に一息着けば、色々な人に声をかけられた。

「はじめてにしちゃ、上出来じゃねぇか！」
豚面種がそういえば、わちゃわちゃと人に群がられる。
どうするべきか分からず、愛想笑いを浮かべていれば、

「おいおいおい！その辺にしとき！次行くで！」
と、コネシマさんによる救いの手が。

群がっていた人はバラけ、コネシマさんの前にはその教えを受けようと少数の人が並び出す。
アップ後は自由に鍛えながらコネシマさんに教えを乞うのが定石らしい。

基礎固めでここを選ばれた理由も納得した。
用意された環境下での自習、正に鍛えることの訓練には最適である。

近くにいた紫小鬼が、なんでも聞いてくれよ！なんて明るく言うので、はてなにから始めようかと考える。

基礎といえば走り込みや筋トレのイメージなんだけれど、先程から視界にチラチラと入る組手も実力テストにはなるだろう。

どうしたものかと唸っていれば肩に手を置かれた。