【d!】救えない君と終末を (ページ22)

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報告書20 ページ22

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ここにいるのは、徴無しが2人と雑食緑鬼族が1人。
食の好みは問題なさそうである。

キッチンに足を踏み入れれば、もう1人の徴無しがそこに立っていた。

zm「あれぇ、大先生じゃないっすかぁ！」

一緒に飯食おうや、と鬱さんの肩を掴むと、彼は物凄く嫌そうな顔をした。

ut「なんでやねんっ…！！絶対嫌や…！！」

zm「は？A居るのに断んの？？」

此方を指さし、にまにまと悪戯な笑みを浮かべる。
巻き込むな。

鬱さんは私と目が合うと突然に態度を変えた。

ut「やぁAちゃん、奇遇だね。ここで会ったのも何かの縁だ、よかったら二人っきりでランチでもどう？」

なにこいつやばすぎる。
身の危険を感じた私はエミさんの後ろに隠れた。

そんな様子をみたゾムさんは笑い転げた

zm「大先生嫌われとるやん！！可哀想に！」

ut「なんでやぁ…Aちゃぁん……」

というか私はお腹が空いたのだ。
早くご飯作ろう、とエミさんに声をかければ、そうですね、と苦笑いを零していた。

ただ見ているのも申し訳ないので、お手伝いをする。
こうみえても食事当番をしていたのだ、料理の腕には自信がある。

身長的に少しやりずらいが、背伸びして頼まれた材料を切っていく。

途中、抱っこしてあげよか？と声をかけてきた鬱さんには丁寧にお断りした。
その後ゾムさんによって撃沈させられていたが。
いいぞ、ゾムさん、もっとやれ。

最初は私の切っているところを心配そうにみていたエミさんは手練ているとすぐに察したみたいで、ほかの準備を始めた。

じゃれあっていた(？)2人もいつの間にか黙々と作業をしていた。
全員料理はできる方らしい。

『ところで、これって何作ってるの？』

em「それはオムライス用で、こっちは肉詰め用で…」

なんかたくさんの料理名をあげていた。なんか凄そう。

zm「なんかピザ食いたなってきたなぁ！出前とってくるで！」

既に絶望し切っていた鬱さんの顔がより曇っていった。

対して私は妖精倉庫ではあまり量を食べられなかったので、こうしてたくさんの料理を作って食べれるのは嬉しい。

喰人鬼の肉料理は最高だし、既に美味しそうな香りを漂わせている鍋もある。
私は上機嫌に鼻歌を歌っていた。