月が綺麗な所為 *ジョージ・狩崎 ページ28
優様リクエスト
戦闘任務中、視界の端に見えた男。
たしか、狩崎という科学者、…研究者だっけ?ともかくそれが、後ろに来ている悪魔に気付いていないらしかった。
私は彼の後ろまで走り、その悪魔の顔面を蹴飛ばした。
「痛い!?(泣)
ちょっとちょっと!!仲間なんですけど!?」
「……すみません、人を覚えるのが苦手で」
どうやら、仲間だったらしい。あれか、協力してくださっているらしい五十嵐の兄貴の悪魔か。
素直に謝れば、悪魔は私を許してくれた。「カリちゃんのことよろしく!」と言い残し、相棒の元へと帰って行った。守れ、ということだろうか。
その狩崎さんのほうを見ると、同じく私を見ていたらしく、目が合った。しかし、どうやら呆気に取られているようだ。
大丈夫ですか、と問うために口を開くが、それより先に彼が言葉を発した。
「I love you…」
私の手を恭しくとり、その甲にキスを落とした。
I love you.
直訳するなら、私は貴方を愛しています。どこかの誰かの訳ては、月が綺麗ですね。
「………はい?」
「一目惚れというものは信じていなかったが、まさか実現するとは」
全く、意味がわからない。言葉を交わすのはこれが初めてだし、狩崎さんの言う"一目惚れ"というものが本当だとしても、今、この瞬間ではないのでは?
「どうやら、私は君に惚れてしまったようだ、A。私の恋人になる気はないかい?」
「さすがに初対面ではちょっと」
「なるほど。では、今夜ディナーでもどうかな」
「えっ、あの、」
さらりと告げられたデートのお誘い。たぶん、そうだと思う。
しかし、背後で響いた銃声のおかけで、今の状況を思い出した。
「今は、任務中です。また後日」
「また会ってくれるんだ」
「り、リップサービスです!」
そこから逃げるように、仮面ライダーたちの援護に回った。
いつもよりヘッドショットが外れるのは、別に、彼のせいではない。
今夜、何も予定がないな、と考えてしまうのだって、別に、彼のせいではない。
………自分で自分を誤魔化しきれなくなってきたのは、彼のせいだ。
Black Cocoa *五色田介人(黒)→←君か、君じゃないか *桃井タロウ
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悠夢(プロフ) - *桜もち。さん» ご感想ありがとうございます!お褒め頂けてとても嬉しいです……!応援の言葉までありがとうございます。自分なりに頑張りますね! (1月12日 17時) (レス) id: 5e7eb9f08a (このIDを非表示/違反報告)
*桜もち。(プロフ) - 初めまして…!主様の小説を初めて拝見させて頂きました!凄く読みやすくて素敵な文章だと思いました✨無理のないように更新頑張って下さい…! (1月10日 20時) (レス) @page44 id: fae296cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
悠夢(プロフ) - 余白のむらさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけると気持ちが楽になります…!早く帰って来れるように頑張りますね! (2022年2月6日 23時) (レス) id: 5e7eb9f08a (このIDを非表示/違反報告)
余白のむら(プロフ) - 私も他のジャンルに沼って小説がかけなくなることが多々あります……笑 悠夢さんが帰ってくるまで待っています! (2022年2月6日 21時) (レス) @page24 id: 3edb9aa810 (このIDを非表示/違反報告)
悠夢(プロフ) - 稜雅さん» 初めまして。ご感想とリクエスト、ありがとうございます!お楽しみいただけているようで良かったです!センさんのお話かしこまりました。 (2022年1月23日 10時) (レス) id: 5e7eb9f08a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:悠夢 | 作成日時:2021年12月19日 8時