セイバー祭�� Clock hands ＊富加宮賢人 ページ32
里香様リクエスト
ふわふわのタオルやスポーツドリンクを持って、ノーザンベースの中を駆ける。私に出来るのはこのくらいだから。
剣士になれなかった私なんかをおいていてくれる皆さんのために、私は色々なことをしたい。
この時間に鍛錬をしているのは、あと賢人くんかな。
彼の鍛錬が終わる前に着くため、小走りでいつも彼が鍛錬をしている場所へと向かう。
その場所に着くと、彼はちょうど今終えたようだった。
「お疲れさま」
「A！」
声をかければ、驚いた顔をしてこちらへと駆け寄ってきてくれる。それに答えて私も走るが、途中で足がぐらつき、賢人くんに抱き着いたような形になってしまった。
「っわ、ごめ、」
「またみんなのところを回ってたのか？」
「うん」
賢人くんは私を支えたまま、ため息をつく。
どうしたんだろう、と頭に思い浮かべるのと同時に彼に刺された釘の内容を思い出した。私は元々病弱であまり運動できず、成長とともになってきたとはいえ、未だに過度な運動はできない。
先日も、みんなのために努力するのは構わないが、ゆっくり自分のペースで行うようにと、彼に言われたばかりだった。
「ご、ごめんなさい……」
「…わかってるならいい」
半ば呆れたように笑って私を抱きしめ、私の頭の後ろをとんとんと叩く。そのさなか、一瞬止めた息で自らの心音が頭に響いた。
「ふ、まだ慣れないのか？」
頭上からくすくすと、優しげな笑い声が聞こえてくる。
これは、絶対に、聞こえている。
「…聞こえちゃった？」
「こんなに近くにいれば聞こえないはずないだろ？」
私たちの間にあるのはたった数枚の布だけなのだから、当然と言えば当然のこと。だがしかし、それはそれとして恥ずかしいものは恥ずかしい。
「俺は嬉しいよ、Aの音が聞こえると安心する」
その言葉は、ただ言葉通りの意味だけじゃない。
賢人くんとは昔からの付き合いだから、私の体が今よりもっと酷かったときのことを知っている。それは、私だって同じだ。あんなこと、もう二度と。
「…うん、私も」
強く賢人くんを抱きしめて、そう言葉にすれば、伝わる。
それは、彼も同じように腕の力を強くしたことでわかった。
「ずっと一緒にいてよね？」
「俺のセリフだな。そのためには、ちゃんと控えろよ？」
「あ。はぁい」
たった一瞬でも、この時間を刻むために。
Love you everything！ ＊五十嵐大二→←2
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悠夢(プロフ) - まゆきさん» ご感想ありがとうございます！わ〜！充瑠さんかわいいですよね〜〜！！ (2021年12月19日 8時) (
レス) id: 5e7eb9f08a (このIDを非表示/違反報告)
まゆき(プロフ) - 充瑠くんかわいいいいいいいいいいいいいい！！！！！ (2021年12月8日 19時) (レス) @page49 id: aca3a82b8e (このIDを非表示/違反報告)
悠夢(プロフ) - 余白のむらさん» ご感想ありがとうございます！こちらこそリクエストありがとうございました。お褒めいただき光栄です…！ (2021年12月8日 5時) (レス) id: 5e7eb9f08a (このIDを非表示/違反報告)
悠夢(プロフ) - 333さん» リクエストありがとうございます。カゲロウさん、大二さんのお話、かしこまりました。 (2021年12月8日 5時) (レス) id: 5e7eb9f08a (このIDを非表示/違反報告)
悠夢(プロフ) - めぐみさん» ご感想ありがとうございます！こちらこそリクエストありがとうございました。喜んでいただけたようで、嬉しいです！ (2021年12月8日 5時) (レス) id: 5e7eb9f08a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠夢 | 作成日時：2021年8月31日 12時
