条件反射的生活 (tk×in)

23 遭遇 ページ23

伊野尾side



今日も部活でキーボードを弾く



学校では入学式の時ほどではないけど、やっぱりすれ違う生徒一人一人からジロジロと見られる



だから廊下を歩くときはいつも大ちゃんと光の後ろを隠れながら歩いている



人が多い時は遠回りになっても2人が一緒について来てくれるし、下校も部活が終わってからも光が送ってくれるから暗くても安心




本当にいい友達を持ったな...






中「じゃあ今日も、再来月の体育祭の開会イベントで披露する曲の『Dash！』の練習ね！」




光「はーい！あ、裕翔さん、ここってどんな感じでやれば良いですか？」




中「ここはね...」









7月にある体育祭の開会式はグラウンドで盛大に行われるらしいが、毎年恒例で軽音部が一曲披露するらしい


光はどんどんベースの腕が上がっていて、俺もビックリした


俺も頑張らなきゃ！






そう思ってキーボードのスイッチを押したが、何故だか音が出ない



おかしいな...？





伊「裕翔さーん、電源入らないです！」




中「え？なんでだろうー？中見てみようか！ドライバーは職員室にあるからちょっと待ってて！」




伊「あ、俺行きますよ！」




中「え！？でも...」




光「伊野ちゃん、俺も一緒に行こうか？」




伊「大丈夫大丈夫！......1人で行ってみる」




光「...そっか。じゃ待ってるね！」




伊「うん！」









正直言うと少し不安



入学式のことはトラウマになってて、今でも忘れられずに頭にこびりついている



それに、『あの時』と同じような鋭い視線









いや、だめだ


そんなこと考えちゃだめだ！




俺だって自立しなきゃ......！





俺は1人で教室を出た









.









.









あー、







なんでこうなるんだ







やっぱりたくさんの生徒が集まってきちゃった







廊下を歩いてただけなのに








いろんな人からジロジロ見られる








やばい、また吐きそうになってきた









ここは、相葉先生に...！









俺は走って保健室へ逃げ込んだ









ｶﾞﾗｶﾞﾗ





伊「相葉先生ーーー？」






返事がない


今はいないのかな？







「せんせーはいないぜ？って、うわ！クソ美人じゃんお前」





伊「え、あ、」







見るからに素行が悪そうな3年生



あれ？でも靴の紐は赤だから2年生？







怖い...！

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