【しゆん】Encounter Action【騎士A】

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しばらくしてレモンサワーが届いた。

『お疲れ様』とグラスを合わせて、
お酒を飲み始めた時、



ｳﾞｰ、ｳﾞｰ


バイブ音が聞こえて、
カバンの中を確認したが、
わたしじゃない。


「しゆんスマホ鳴ってない？」


と聞いても、


「ん？…あー…、いいよ」


伏せていたスマホを返して、
画面をちらっと見ただけでまた伏せた。


ｳﾞｰ、ｳﾞｰ、ｳﾞｰ


それでも震え続けるスマホ。


「仕事とかじゃないの？」

「大丈夫大丈夫」


ｳﾞｰ、ｳﾞｰ、ｳﾞｰ、ｳﾞｰ!!


「あ゛ぁーもーーー！！！
　はい！はい！！なに！！」


しつこすぎる通知に、いよいよ痺れを切らしたしゆんは、
乱暴に電話に応じて、通話相手にキレている。


「……は？いや、待って。おかしい、ちょっ、おい！」

「？？？」


切れたであろうスマホを見つめて固まっている。


「どしたの…」


こんなに気圧されてるしゆんも珍しい。


「なんで撒けねぇかな…」


ガシガシと頭をかいて、それから、
わたしを真っ直ぐ見つめたしゆんがひと言。


「…いいかA。
　今から起こること、とりあえず全部忘れて」


真剣な表情で、そんな突拍子もないこと言われても、
ちぐはぐすぎて理解ができない。


「え？なにそれ、」


個室の外から、騒がしい声が聞こえた。

団体さんが来たのかな？

だんだん声が近づいてきたと思ったら、
ペラっと個室を区切っていたロールカーテンが捲られる。

それにも驚いたが、
そこから顔をひょこっと出した人を見て、
また驚いた。


？「あ、ドーモー」

「！？！？」


その後ろから、
また覗き込んできた人も声を上げる。


？「あれ？もう始まってる？」

？「え〜〜！しゆちゃひどい」

？「そーだそーだ！一緒に行こうねって言ったのに！」


なんとも、カラフルな、
そして、美顔を兼ね備えた人達が
揃っている。


え、え？？なに、これ。

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