【しゆん】Many Action【騎士A】 (ページ3)

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目的地にタクシーが到着してすぐに、カノジョが待つ場所へ急ぐ。

──寒いんだし、どっかのカフェで待ってて良かったのに。

待ち合わせ場所の目印になっているモニュメントの前で、マフラーに顔を埋め、キョロキョロと周りを伺いながら待つAを見つけてそう思う。

や、遅刻したのは自分なんですけど。

申し訳ない、と気持ちばかりの罪悪感を持ちながらAとの距離を縮めていくと、自分の気配に気づいたAに見つかった。

目が合ったかと思うと、パァッと嬉しそうな、幸せそうな笑顔をこぼした。

もう、キラキラのエフェクトが見えるほどだ。
(あつ森のリアクションみたいな)

え、かわい。

脳死でその感想が流れるほどには普通に可愛かった。

割といつでも可愛いんだけど、俺に会ったらそんな可愛い顔して笑っちゃうんだ？

「わーりぃ、遅くなった。…かなり待った？」
「んーん、大丈夫。というかいつもじゃん笑」

こう、余計なひとことは時々多いが、9.9割俺が悪いし、その笑顔に免じてよしとしよう。

「で、今日はどこ行くんですかお姫さん」

彼女の冷え切った手に指を絡ませて、
俺だけの姫を連れて今日の特別なデートがスタートする。