【騎士A】Halloween Action【しゆん】

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「な、なんで」

「なんでって、そんなの
　Aが着るからに決まってんじゃん」


当たり前だろ？みたいに答えないで。



「無理！」

「却下。
　つか、見つけて手に取った時点で確定だからな」


はい？！


「やだ！」

「ニーハイあったっけか」

「ねぇ、聞いてる？」

「髪はツインテ…より、敢えて下ろしてる方がいいか」

「あの、しゆんさん？」


私の声届いてるの？


「自分で着る？俺が着せてもいいけど」


何その二択！
いや、着ないけど！


「ご、ご飯作らなきゃ」

「そんなんいーって。ウーバーしよ」

「やだ。つくる」

「やだ。着せる」


何このしょうもない攻防。

しゆんに口では勝てない。絶対に。
ひとまずこの場から逃げてしまおうと

私の前に立ちはだかるしゆんの脇を狙って走ろうとするが、


「はい、捕獲」


あっけなく捕まった。


「や、やだやだ！」

「着る？」

「着ない！というか、そもそもこれしゆんのでしょ」

「ま、そうだけど、いや、ちげぇし。
　なんかその言い方だと語弊あるからやめて」


事実だもん。


「そもそも今日何の日か忘れたわけ？」

「……シリマセン」

「はい、知ってマース。
　一般人達がこぞって仮装という
　コスプレを楽しむハロウィンでーす」

「知らない知らない。聞こえない」

「聞こえてんだろ。
　早く着替えねぇとここで脱がすぞ」

「なっ！？」


『じゃ』と言って、
わたしにメイド服を押し付けて
しゆんはリビングに消えていってしまった。

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