ヨコハマに来た警察官

Number18 ページ18

高層ビルの一室にて
このビルの主に件の来訪者が訪ねて来たのだ


女の名はベルモット、とある犯罪組織のボスの側近である


「私は紅茶党でして、この書斎にはこれしか持ち合わせがありません。お口に合わないようでしたらコーヒーを用意させますが？」


言外に此処は貴方が来るべき場所ではないと述べながら森鴎外は紅茶を啜る


「お気遣いありがとう。無駄になってしまいそうだから遠慮しておくわ。」


「悪名高きな組織の御仁に毒を盛ったりしませんよ」


森鴎外は彼女のポートマフィアは信用ならないと言う暗解を正しく読みといた


「それで、そろそろ本題を聞かせて頂いても？貴方も忙しい方だ。はるばるヨコハマまで茶会をしに来た訳ではないでしょう？」


ベルモットは先程から茶菓子一つにすら手を付けていない、無論これは嫌味である


「ええ、私は女優、演じるのは得意なのだけれど言葉遊びは好きじゃないの。単刀直入に言わせてもらうとわ、私達と手を組まない？」


柱時計の音が刻一刻と時間を刻む


「私達とは、貴方がた組織の人間ですか？それとも組織自体の総意ですか？」


一見すると同じようなニュアンスだが、意味は全く違う


「そこはご想像におまかせという事で。それとも私が答えが聞きたい？」


「言葉遊びが嫌いなのでは？」


　
「遊びは嫌いよ？時間が必要ならボスに連絡するから言って頂戴」


「我々としても、これ以上この地に害虫が湧くは可視するつもりはありませんので」


「それはいい返事が聞けたと思っていいのかしら？」


「貴方が私の解を求めるのですか？」


数分前と同じやり取りだが空気の流れは明らかに傾いていた

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