ちょっとだけ、おしゃべり。 ページ33
「・・・っていう方法で解いていくんだけど、計算方法と証明は理解できた?」
「はい!それで、応用するときは、各数値にさっきの作業をした後に、当てはめるんですよね。」
「正解。知香は飲み込み速いなあ。羨まし。じゃ、とりあえずこのプリントは解けるようになってるはずだから。
力試しに、解いてみて。制限時間10分ね〜。」
「うわ、鬼だ(笑)。」
「よーい、スタート!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・よし、終わった!」
「えっ、まだ6分も経ってないよ?
知香、恐ろしい・・・・・」
「フフフ、ありがとうございます。」
「じゃ一段落したついでに、ちょっと休もっか。」
そう言って颯くんが取り出したのは、何かのノート。
何書いてるのかな、と覗いてみたら。
インパラ→ラインラント→トムラウシ→小学校→
ん、この並びって・・・・・・
「何だと思う?これ。」
うわ、覗いてたのバレてた!
「何って・・・・・しりとり?」
「うん、限界しりとりっていう、普通のしりとりとはちょっと違うしりとりなんだけど。伊沢さんと最初にやった時の記録。良ければ後でやろうか?」
「本当!?」
「うん。ルールは複雑だけどね。結構楽しい。
・・・・・・・・・ていうかさ、さっきから思ってたんだけど、知香はこの呼び方嫌なの?」
「えっ?」
「さっきからちょくちょく、丁寧語で話してるし。この呼び方苦手なのかなーって思ったんだけど。
・・・もしかして、無意識?」
「・・・多分、そうかも。」
そう声を震わせると、重苦しい空気が流れて。
颯くんは、少し考えて、覚悟したようにこう言った。
「・・・・・分かった。今は、言いやすい方で話してていいよ。無意識にやってしまうものをむりやり直しても、いいことないし。あんなに敬語に慣れちゃったから、今はしょうがない。」
「でも、颯くんh」
「いいの。僕だって早く、この呼び方じゃないとしっくりこない、って思われるように頑張るから。」
私の手をそうっとなでて。ふと、思い出したように尋ねる。
「ここ、どうしていつも絆創膏貼ってるの?
・・・ケガ、じゃないはずだし。」
「うん、それはお守り。つるがプレゼントしてくれたの。」
「お守り?」
「なんか、私に二度と悲しいことが起きないように、って」
「・・・・・・ふーん。」
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mathgirl - (下記の続き)流石に限界らしく、ここに来るのは難しいそうです。私もこの作品を読んでいたことを知っていたのか、前触れもなくこんな状態になってすまない、と言っていました。多分、この作品は更新できないと思います。急なお知らせですみません。 (2017年12月16日 15時) (レス) id: d1012bafe4 (このIDを非表示/違反報告)
mathgirl - すみません、Ariceの妹です。個人のスマホを持っていないので、姉と同じIDになっています。姉は受験生ではないのですが、最近部活に忙しく、志望校に行くための勉強や、資格の取得でどうしてもこちらへ来れないそうです。テスト前までは粘っていたようですが・・・ (2017年12月16日 15時) (レス) id: d1012bafe4 (このIDを非表示/違反報告)
Arice - 良いですよね!彼ならドラえもんにも勝てるんじゃないか?と思えるくらい強いし・・・私は、好きなキャラは決められませんが、卓也さんを見ていて、いつも笑っちゃいます(笑)。 (2017年11月26日 12時) (レス) id: d1012bafe4 (このIDを非表示/違反報告)
月読命 - Ariceさん» 内人です!一番の苦労人(とかいてドラえもんと読む)って感じがするので・・・! (2017年11月26日 11時) (レス) id: 3990fcd378 (このIDを非表示/違反報告)
Arice - 分かります!私も大好きなんです!時が進む事に、どんどん壊れていく創也の観察日記を書きたい(笑)。月読命さん、都会トムで気に入ってる登場人物とかっていますか? (2017年11月26日 10時) (レス) id: d1012bafe4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Arice | 作成日時:2017年10月13日 20時