あなたがくれる優しさは ページ22
その日、私が起きたのはなんと日が昇らぬ朝の５時。
二度寝で遅刻なんて大変だからと、ひんやりとした
朝ならではの空気を纏って起きるけど。
この日をこんなに楽しみにしていたのか・・・
と、思わず笑ってしまった。
そうやって図書館ヘ向かう足取りは、信じられないくらい軽くって。今にも舞いそうな勢いだった。
鏡なんか見なくっても分かるくらいに、私は不自然なほど、笑っているみたいで。
いけない、いけない、と、何度頬を叩いたことか。
そろそろ痛くて赤くなりそうな頬を引き締めて、私は目的地へと急ぐ。
休日も水上さんと会えるんだ、って思うと、これ以上ないくらい、胸が高まってくるのを感じて。
やっと図書館が見え始めた頃、私は我慢ができずに、走り出した。
あともう少しで、図書館!・・・っていう時に。
今まで死角になっていたところから人が出てきて。
私は避けることもできずに・・・・・・ぶつかった。
「痛い・・・」
アスファルトのすり傷の痛みが、追い打ちをかけるように
やってきて、私はその場にうずくまる。
ぶつかってしまったその人は、私を一目見て舌打ちし、
「・・・ちゃんと前見て歩けよな。」
と呟いた。
睨みつけるようなその眼差しに、私は頷くことしかできず。立ち上がろうにも、何故か立ち上がることが出来なくなっていた。
周りからの好奇の目が怖くなって。
手のひらの絆創膏を、キュッと押さえつける。
その時。目の前に真っ白な手が差し出されて。
絆創膏を握る私の手を、そっと包み込んだ。
それは紛れもない、水上さんの手だった。
「大丈夫でしたか?」
「えっ、あ・・・・・はい。」
しゃがんで視線を合わせようとする彼の瞳は、これまでにないくらい、『慈愛』に満ちていて。
見ていられなくなった私は、思わず顔を背ける。
彼はそれ以上何も言わずに、うっすらと浮かんだ涙を、
ハンカチでそっとぬぐってくれた。
「・・・・・行きましょうか」
しばらく一人では動けそうにないことを見て取ったのか、
水上さんは私の絆創膏を貼った方の手首をそっと包み込んで。
私の歩幅に合わせるように、ゆっくりと歩きだした。
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mathgirl - （下記の続き）流石に限界らしく、ここに来るのは難しいそうです。私もこの作品を読んでいたことを知っていたのか、前触れもなくこんな状態になってすまない、と言っていました。多分、この作品は更新できないと思います。急なお知らせですみません。 (2017年12月16日 15時) (
レス) id: d1012bafe4 (このIDを非表示/違反報告)
mathgirl - すみません、Ariceの妹です。個人のスマホを持っていないので、姉と同じIDになっています。姉は受験生ではないのですが、最近部活に忙しく、志望校に行くための勉強や、資格の取得でどうしてもこちらへ来れないそうです。テスト前までは粘っていたようですが・・・ (2017年12月16日 15時) (レス) id: d1012bafe4 (このIDを非表示/違反報告)
Arice - 良いですよね!彼ならドラえもんにも勝てるんじゃないか?と思えるくらい強いし・・・私は、好きなキャラは決められませんが、卓也さんを見ていて、いつも笑っちゃいます（笑）。 (2017年11月26日 12時) (レス) id: d1012bafe4 (このIDを非表示/違反報告)
月読命 - Ariceさん» 内人です!一番の苦労人（とかいてドラえもんと読む）って感じがするので・・・！ (2017年11月26日 11時) (レス) id: 3990fcd378 (このIDを非表示/違反報告)
Arice - 分かります!私も大好きなんです!時が進む事に、どんどん壊れていく創也の観察日記を書きたい（笑）。月読命さん、都会トムで気に入ってる登場人物とかっていますか？ (2017年11月26日 10時) (レス) id: d1012bafe4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Arice | 作成日時：2017年10月13日 20時
