on Friday in the NIGHT ページ21
明日はいよいよ、水上さんとサークルだ!って思うと、
思わず心がウズウズしてきて、全く眠れない。
心を落ち着かせるために、ホットココアを飲むけれど。
まるでその熱を運動源としてしまったかのように、更に興奮してしまう。・・・・・アドレナリンの、排出され過ぎだ。
「・・・・・・・つるに、電話してみよう。」
あの声を聴くのも悪くないし。
聞いてると、なんか眠くなるんだよねぇ。
問題解説に不向きっていうくらい、心地良い声。
LLLL・・・・llll・・・・
「・・・もしもし?」
そう、この声。声変わりして低くなったけれど。
それさえも、気持ちいい。
「あーつる、起きてる?」
「ん?今寝るとこだったんだけど。」
「・・・あのさ、ちょっと話し相手になってくれない?」
今大丈夫かな? と尋ねると、つるの声音が、
包み込むような、優しいものになる。
「どうしたの?また、悲しいことがあったの?
僕が、知香をなぐさめるよ。」
「えっ?ああ違う、違う。
えっとね、あの後水上さんと、ちゃんとお話ができて、
明日一緒にクイズサークル行く約束したんだけど。
もう楽しみすぎて、眠れなくって!」
「・・・・・」
「でも、つるの声聞いたら、安心した。
・・・うん、もう大丈夫。ごめんね、急に電話しちゃって。
バイバイ。おやs」
「まって!切っちゃだめ、知香!」
いつも落ち着いてて、静かに笑っているつるが、
急に大声を出すものだから。少しびっくりしたけど、
「どうしたの?」
って聞いてみる。
「もう少し、話そう。ね? 僕だって、知香の電話で
起きちゃったんだから。」
それに・・・ と、つるは小さな声で続ける。
「もっともっと、知香とお話したい。」
それから少し、静寂が私達を包み込んで。
まるで時差があったかのように、私は遅れて口を開く。
「ん・・・分かった。」
「 良かった。じゃあ知香、何話したい?」
「そうだねえ・・・・・」
それから、私達はあの雨の日のように、笑い続けた。
彼はここにいないけれど、その優しさが電話越しにも伝わって来るようで、何故か嬉しかった。
つるの声は変わらず、羽毛のように柔らかく、心地よくて。
耳に馴染んで、くすぐったい。
その「おやすみ。」という小さな声で。
私は、眠りに落ちた。
49人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mathgirl - (下記の続き)流石に限界らしく、ここに来るのは難しいそうです。私もこの作品を読んでいたことを知っていたのか、前触れもなくこんな状態になってすまない、と言っていました。多分、この作品は更新できないと思います。急なお知らせですみません。 (2017年12月16日 15時) (レス) id: d1012bafe4 (このIDを非表示/違反報告)
mathgirl - すみません、Ariceの妹です。個人のスマホを持っていないので、姉と同じIDになっています。姉は受験生ではないのですが、最近部活に忙しく、志望校に行くための勉強や、資格の取得でどうしてもこちらへ来れないそうです。テスト前までは粘っていたようですが・・・ (2017年12月16日 15時) (レス) id: d1012bafe4 (このIDを非表示/違反報告)
Arice - 良いですよね!彼ならドラえもんにも勝てるんじゃないか?と思えるくらい強いし・・・私は、好きなキャラは決められませんが、卓也さんを見ていて、いつも笑っちゃいます(笑)。 (2017年11月26日 12時) (レス) id: d1012bafe4 (このIDを非表示/違反報告)
月読命 - Ariceさん» 内人です!一番の苦労人(とかいてドラえもんと読む)って感じがするので・・・! (2017年11月26日 11時) (レス) id: 3990fcd378 (このIDを非表示/違反報告)
Arice - 分かります!私も大好きなんです!時が進む事に、どんどん壊れていく創也の観察日記を書きたい(笑)。月読命さん、都会トムで気に入ってる登場人物とかっていますか? (2017年11月26日 10時) (レス) id: d1012bafe4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Arice | 作成日時:2017年10月13日 20時