いい子の不良.3【銀土】【逆3Z】 ページ6
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そろそろ5月も中旬になろうか、という日のことである。
廊下で、ゴリラ先生、じゃなくて近藤先生と土方先生が話していた。
「よおトシ。新しい学校にも慣れたか?」
「まあな。まあ、知り合いが多すぎるってのもあるかもな」
「確かに。そういやお前は総悟のクラスの担任だったな。大変だろう?」
「大変も何もあいつ授業中にコンパス投げてきやがる。そっちはどうなんだい?近藤さん」
「いやあ、とんでもない馬鹿といっつも寝てるやつと不登校の奴がいるんだよ。特に寝てるやつが厄介でな」
「どんな奴なんだ?」
「ほら、あいつだ。坂田銀時。」
「…え?坂田が?あいつ授業で寝たの1回だけだぞ」
「…それは本当か?」
「冗談はよしてくれよ、近藤さん。あのクラスは馬鹿ばっかりだけどあいつは熱心な方だぜ」
「うーん、どうにもおかしいな…あ、お妙さーん!」
ヤバい、バレた。何かが壁にめり込む音を聞きながら俺はダッシュでその場を離れた。
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放課後である。
部活には所属していないのでさっさと帰ろうと玄関へ向かっていると、
「あ、」
見つけてしまった。土方先生である。
「坂田、ちょっと話がある」
知らんぷりをして帰ろうとしたが、声をかけられてしまった。こうなったらもう逃れられない。
「で、話って何?」
作り笑いを浮かべながら言う。
「先生に向かってその口調は何だ」
「いーじゃねぇか。それに、いつもこんな感じだろ?」
「ま、それはともかく、聞いたぞ。お前、数学の授業以外は寝てるんだってな」
「で?」
内心は冷や汗ダラダラだ。でも、なるべく何でもない風を装って、開き直った様な言い方をする。
「お前が数学を好きなのは分かる。でもな、他の授業も大切だ。だから…」
「え?俺数学嫌いだけど?」
「な…じゃあ何で」
「先生が好きだから?あ、likeじゃなくてloveの方ね」
しまった。ついに言ってしまった。ヤバい。もう取り返しがつかない。
「おい坂田、冗談はよせよ」
「冗談じゃないって」
気が付いたら唇を重ねていた。
「え…」
唇を離す。顔が熱い。自分でもびっくりしている。何でだ。こんなことするつもりじゃ無かったのに。
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作者名:かきたね@ケンカップル厨 | 作成日時:2016年5月23日 20時