喧嘩【銀土】 ページ2
腐要素少なめだと思います
*
「くそっ」
夜の道を、ややふらつきながら1人で歩く。
やはり言い過ぎたか、いや絶対にこっちから謝ってやるものか。そんなガキのような考えが頭の中を巡る。
そんな中、1人の夜は寂しいな、と思っている自分もいて。
こうなったのはあいつとーー銀時と付き合いだしてからだ、そう思った。
・
数ヶ月前に、銀時と恋仲になった。
でも、今までのようにちょっとした諍いになることも多かった。
大抵は酒を飲んでいる時で、言い合いになった挙句、「こんなガキみたいな争い止めようぜ。まあ俺のせいじゃないけど」「確かにそうだな。まあ俺のせいじゃないけど」といった感じで結局なあなあになる。
お互い意地っ張りだからしょうがない。
『謝る』ということがどうしても悔しくて、恥ずかしいのだ。
せめて自分はもう少し素直になれないものかと思うが、上手くいくものではない。
そしてその結果がこのザマだ。
いつものように喧嘩をして。
酒のせいでだんだん言い争いがヒートアップして。
気付いたら勘定を机に叩きつけて店を出ていた。
今思えば大したことで喧嘩していた訳ではない。
何で喧嘩していたのかもわからない。
でも、喧嘩の原因が分からなくなる位言い合っていたのだ。
とにかく、自分が謝るといることは考えていなかった。
・
しばらくは仕事が多くて屯所の中に篭ってばかりだった。
1人の作業だから寂しくなって、つい銀時のことを考えてしまう。
その度に喧嘩のことを思い出した。
そして、許してやるもんか、と呟きながら作業に戻った。
でも、あの日のことを思い出しているとだんだん自分か悪かったのではと思うようになってきた。
それと同時に会いたい、という気持ちも膨らんでくる。
でも、最後に会った時があんなだったから会いづらい。
それに、向こうは自分のことをどう思っているのか。
結局、考え事のし過ぎで仕事があまり進まなくなり、近藤さんに心配されて半ば強制的に休みを取らされた。
でも、特にすることはないので街をぶらぶら歩く。
気付いたらかぶき町の方に来ていた。
無意識のうちに銀時を探していたのかもしれない。
ふと、映画のポスターが目に付く。
何となく見て見ようと思って中に入ると、
ーーいた。
あの特徴的な銀髪はどう考えてもあいつだ。
向こうもそれに気付いたらしいが、気づかないふりをすると決め込んでいるようだ
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作者名:かきたね@ケンカップル厨 | 作成日時:2016年5月23日 20時