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二人の姿が部屋から消えると
先ほどまで黙っていた平野さんが
徐に立ち上がり私を指差した
紫「その女が嘘を付いていたら
お前らどうするつもりなんだよ」
海「Aは嘘なんて付いてないよ」
紫「どうして分かる？
そいつが本当のことを話してる証拠なんて
どこにもないんだぞ？」
岸「……そうだけど」
神「メンバーだから例えそれが嘘でも
味方になりたい時もあるんだよ」
初めはあれほどまでに
私を嫌っていた神くんも
こんなにも嬉しい言葉を言ってくれる
その気持ちが嬉しくて
御礼を言いたくなったけれど
今はそんなことを言える雰囲気では無い
すると平野さんは
永瀬さんが消えたドアへと向かい
ドアノブに手を掛けたところで
足を止めて振り返った
紫「もしも、そいつが嘘を付いていたら
グループごと壊されるぞ」
そんな言葉を残して
バタンと閉じられたドア
それは平野さんの心が
また一つ離れて行く音に聞こえた
『……信じてくれて…ありがとう』
海「当たり前でしょ」
岸「仲間なんだから」
神「安心して、俺たちは味方だから」
『……うん』
３人の気持ちは
涙が溢れそうなくらいに嬉しかった
でも…私のせいで
King＆Princeの固い絆を壊してしまいそうで
また新たな恐怖を感じずにはいられなかった…
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こんな私の不安を知ってか知らずか
それから桃ちゃんは
私を頻繁に呼び出すようになった
初めは辞めろ、消えろなどと
言葉で追い詰め続けていたけれど
頑なに辞めると言わない私に
痺れを切らした桃ちゃんは
辺りのものを投げるようになった
そして…その行為は更にエスカレートして
私に当たるように投げることへと
変わったかと思うと次第にそれは
暴力を振るうことに変わったんだ
しかも誰にも気付かれないように
それは顔以外の見えない部分で
誰かに言えば永瀬さんの写真を晒すと脅迫され
私は永瀬さんとKing＆Princeを守りたくて
ただただ耐えるしか出来ない
桃▷誰にもバレないように衣装室に来い
この日もまた呼び出される…
こんなこと…いつまで続くんだろう…
桃ちゃんの気が済むまで
辞めるという言葉だけは絶対に言わない
こんな理不尽なことに負けたくない
だけど…この状況を変える方法を
私は見つけることが出来なかったんだ
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作者名：莉衣子
| 作成日時：2023年4月20日 14時
