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桃「今日はクッキーを焼いて来ちゃいました」
ある日の楽屋で桃ちゃんは
可愛らしいラッピングに小分けにした
手作りのクッキーを持って来た
桃「廉くん、どうぞ」
廉「ありがとう、手作りなんや？」
桃「はい、桃はこう見えて
お菓子作りが得意なんです」
廉「女の子らしくて良いな
誰かさんはこんなことせえへんからな」
永瀬さんは突然私に視線を合わせると
そんな言葉を口にする
すると、それに気付いた桃ちゃんは
私を見ながらクスクスと笑いを堪えた
桃「女だから絶対に
しなきゃいけないとは思わないけど
女だから出来ることがあるなら
普通は頑張りますよね」
『………』
これはきっと嫌味だ…
それに気付いたとしても
私は何も言い返すことが出来なかった
神「Aは頑張ってるよ」
岸「そうだな、実力だってあるし」
海「廉だってAが
レッスンも仕事も頑張ってるのを
ちゃんと分かってるでしょ？」
私のことをフォローしてくれた３人の視線
それに居心地の悪さを感じたのか
永瀬さんは席を立つ
廉「頑張られても無理なもんは無理
そうやんな？紫耀」
紫「あぁ、廉の言う通りだな」
廉「紫耀、コンビニ行こうや
桃ちゃんもこんな所に居たくないやろ？
一緒に行こうか」
桃「は〜い！行きます」
これはただの被害妄想かもしれない…
でも私には桃ちゃんが来てから
永瀬さん、平野さんの間にあった溝が
より深くなってしまった気がするんだ
直接、何かをされた訳ではない
それなのに不安で
初対面の時に感じた違和感が
不穏な形として現れてしまう恐怖を感じた
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作者名：莉衣子
| 作成日時：2023年4月20日 14時
