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『すごく綺麗な人…』
紫「そう、誰もが認める美人だよね」
『……はい』
紫「だから、この人になって
彼にもう一度再会しておいでよ」
『…………はい？』
紫耀の言葉を頭が理解出来なかった
だけど紫耀は私を置いてけぼりのまま
話を続けていた
紫「彼女の名前は向井A
君より二つ年上で
近々、彼が教師をしている学校の
臨時の養護教諭として
働くことが決まってるんだ」
『……学校？』
紫「君が会いたい永瀬廉は
今は母校で数学を教えているよ」
『…そっか、廉くん教師になったんだ』
いつか勉強を教えて貰ったことを思い出す
廉くんは勉強を教えることが上手で
教師に向いているんじゃないかって
あの頃の私は思っていたんだ
紫「彼女の体を借りれば
君が抱く不安は解決するでしょ？」
『……確かにそうですけど』
紫「彼に会うチャンスはこれで最後だよ」
『………』
紫「ここに留まった君の選択肢は二つ
彼女の姿で彼に会いに行くのか
このまま…扉の向こうに行くのか」
紫耀の視線の先には天国への扉
この先に進めば選択肢やチャンス
ましてや後悔や未練なんてものも
抱えることは出来ないんだ
本当に最後のチャンス…
何が正解かも分からないし
何がしたいのかも正直分からない
だけど…一つだけ分かることがある
それは廉くんに会いたいということ
例え別人として再会して
他人の関係になったとしても
私にはたった一人の…初恋の人なんだ
『…行きます、廉くんに会いたいです』
紫「うん、分かった
きっとうまくいくから安心して」
『はい…』
紫「じゃあ、その時計の前に立ってね」
半分が埋まったように建てられいる
大きな時計のオブジェ
言われるがままに
その前で大人しく立っていると
紫耀はさっきと同じように
今度は時計に向かって手の平を向けた
紫「A、後悔の無いように」
まるで泡に包まれたように
籠って聞こえた紫耀の声
そして、その泡が弾けたみたいに
目の前の時計の針が突然、時を刻み始めると
私は一瞬で深い眠りの中へと誘われた
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莉衣子(プロフ) - manaさん» コメントありがとうございます！私もこの神様がお気に入りです😊またお暇な時にでも読みにいらして下さいね！ありがとうございました☺️ (3月8日 13時) (
レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
mana - 平野さんの喋り方がすごく個人的に好きです!永瀬くんと最後に出逢えて良かったですね!!心温まるお話、ありがとうございました! (3月7日 23時) (レス) @page50 id: 0454c0eb42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莉衣子
| 作成日時：2023年1月14日 11時
