49 おわり ページ49
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『廉くん！…待って！』
私の体を気遣って
背を向けてしまいそうな彼を慌てて呼び止めた
『…えっとね…あのね…』
廉「Aちゃん？」
だけど呼び止めるのは簡単だけど
その後に続く言葉が見当たらない
頭をフル回転させて絞り出した言葉…
『……廉くん、知ってる！？
神様はぬれおかきが大好きなんだよ！』
廉「……え？」
…って…私は何を言っているんだ
廉くんを繋ぎ止めたくて
咄嗟に思いついたのがこれだった
変なことを発していることに気付き
また言葉に困っている私を
廉くんは首を傾げ不思議そうに見つめる
二人の間に漂う気まずさは
廉くんに初めて出会った時と同じだ
そんな懐かしさを感じていたら
廉くんはあの日と同じように
口元を緩めて笑顔になると
また丸椅子に座り直した
廉「なあ、Aちゃん」
『……はい』
廉「その話もっと聞かせてくれへん？」
マシュマロうさぎから私の手を離すと
廉くんは両手でその手を包み込み
愛おしいそうに見つめながら握りしめた
廉「Aちゃんといっぱい話がしたいし
もっと二人で笑って居たい
だから…これからはずっと…」
再会したばかりで気持ちを伝え合うには
まだ早いのかもしれない
でも私はもう後悔はしたくない…
…あなたと離れたくないの
だから、いつかではなく
今…でなければいけないんだ
『…ずっと一緒に居たい』
廉「…ずっと一緒に居たい」
『……あ』
廉「ふふ、やっぱり俺たち縁があるな」
８年越しに重なった二つの声と想い
繰り返してしまいそうだった二人の関係が
ほんの少しの勇気で変わった気がした
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誰も知らないあの不思議な体験は
私に大切なことを教えてくれた
この世界の誰もが
自分の命のリミットを知ることは出来ない
だからこそ今やらなければいけないことがある
そんな大切なことに気付けたから
私は明日死んでも後悔をしないように
今、自分の中にある想いの全てを
これからは彼に伝え続けていきたいんだ
神様がくれた、この言葉を胸に刻み込んで…
いつか必ず死ぬことを忘れるな＿＿
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おわり
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莉衣子(プロフ) - manaさん» コメントありがとうございます！私もこの神様がお気に入りです😊またお暇な時にでも読みにいらして下さいね！ありがとうございました☺️ (3月8日 13時) (
レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
mana - 平野さんの喋り方がすごく個人的に好きです!永瀬くんと最後に出逢えて良かったですね!!心温まるお話、ありがとうございました! (3月7日 23時) (レス) @page50 id: 0454c0eb42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莉衣子
| 作成日時：2023年1月14日 11時
