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『向井Aさんを
神宮寺勇太さんに返してあげて下さい』
紫「本当にそれで良い？」
『二人を離れ離れにしてはいけないんです
彼の深い愛を受け取るのは
私ではなく彼女だけですから』
紫「……そっか」
高一から想いを寄せあう二人
ずっと憧れだったその関係を
私が壊しては絶対にダメなんだ
『それに…私も気付いたんです
私は私を好きになって欲しいんだって
別の誰かの姿を好きになって欲しくない
七瀬Aで彼と恋がしたかったんです』
誰かの姿に惹かれる彼を見ることが
私には辛くて仕方がなかった
七瀬Aとして
永瀬廉くんと恋をしなければ意味がない
だから私にはもう…未練はないんだ
紫「君が下した決断が
きっとAにとって一番正しいと思うよ」
『…はい、ありがとうございます
最後のチャンスを貰えて良かったです』
紫「じゃあA、扉の前に立って」
紫耀が手を伸ばすと
その先にはまた大きな扉が現れる
言われた通りに扉の前に立ち
聳え立つ扉を見上げ深く息を吸い込んだ
紫「君のタイミングで良いから」
『はい、分かりました』
自分の人生を終えようとしているのに
何故だか怖さは無かった
最後のチャンスを貰って
廉くんの気持ちを知ることが出来たからだ
嫌われていると思っていた時よりも
遥かに清々しい気持ちなんだ
でも…本音を言えば
廉くんと想いが繋がった先の人生を
二人で生きてみたかったな…なんて
自分で選択をしたのだから
贅沢は言ってられないんだよね
扉の取手を両手で握りしめ
もう一度だけ大きく深呼吸をすると
力を込めて重みのある扉を開けた
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莉衣子(プロフ) - manaさん» コメントありがとうございます！私もこの神様がお気に入りです😊またお暇な時にでも読みにいらして下さいね！ありがとうございました☺️ (3月8日 13時) (
レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
mana - 平野さんの喋り方がすごく個人的に好きです!永瀬くんと最後に出逢えて良かったですね!!心温まるお話、ありがとうございました! (3月7日 23時) (レス) @page50 id: 0454c0eb42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莉衣子
| 作成日時：2023年1月14日 11時
