35 最後の選択 ページ35
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あれから神宮寺さんとは会っていない
早く二人を引き合わせないと
彼らが大切に育てた関係を
本当に壊してしまいそうで
日々、焦りを募らせていたけれど
冷却期間を言い渡された私は
その期間が終えるのを待つしかなかった
そして…廉くんも
あのバーベキューの日から
保健室に来ることは無くなった
挨拶や業務連絡など
必要なことは話すけれど
どこか私たちにはぎこちなさが残った
そんな苦しい状態のまま
最後のチャンスである貴重な時間は
あっという間に何週間も過ぎてしまい
気が付けば短期契約だった私の
最後の出勤の日を迎えていた
この日は授業の合間の短い休み時間や
お昼を食べる時間を割いてまでも
代わる代わる沢山の生徒が
この保健室に足を運んでくれて
餞別にお菓子やお花をくれたりと
彼女との別れを惜しんでくれた
本当に向井Aさんという人間は
誰からも愛される素敵な人なんだなと
何故か私が誇らしげに感じていたんだ
放課後になり
生徒たちが帰ってしまった保健室で
私物や頂いたお菓子などを段ボールに詰め
ここでの仕事を終えようとしていた
『マシュマロうさぎ…』
一番最後に段ボールへ詰めたのは
廉くんがコンビニで何度もくじを引いて
プレゼントしてくれたマグカップ
不登校になり引っ越しをした時も
彼との思い出のキーホルダーを
こうやって段ボールの中へ仕舞い込んだ
結局は同じ運命を辿ることになるなんて
折角、紫耀がチャンスを与えてくれたのに
私はそれを無駄にしてしまったんだね
そういえば…こんな結果になったにも関わらず
どうして紫耀は現れないんだろう
…まだ私にはやるべきことがあるのかな？
すると…
今後の不安を感じていたら
コンコンッと保健室のドアがノックされ
それは軋む音を響かせて開かれた
廉「良かった、まだ居た」
『……永瀬くん？』
もう会ってはいけないと思っていた人
だって…まだこんなにも好きなんだよ
断ち切れない想いを残してしまったら
それはまた未練となってしまうんだから…
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莉衣子(プロフ) - manaさん» コメントありがとうございます！私もこの神様がお気に入りです😊またお暇な時にでも読みにいらして下さいね！ありがとうございました☺️ (3月8日 13時) (
レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
mana - 平野さんの喋り方がすごく個人的に好きです!永瀬くんと最後に出逢えて良かったですね!!心温まるお話、ありがとうございました! (3月7日 23時) (レス) @page50 id: 0454c0eb42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莉衣子
| 作成日時：2023年1月14日 11時
