深愛モラトリアム【2】 (ページ26)

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　『紫耀が見たら嫌な思いをするかなって…』

紫「………」

　『……紫耀、怒った？』

紫「…耐えてる」

耐えてるなんて言っているけれど
無意識に顔に力が入ってしまう

そんな俺の顔を不安そうに覗き込む
彼女の頬に触れてAの温もりを確かめた

紫「…………俺のものなのに」

　『もしかして拗ねてる？』

紫「ちょっとね…」

　『ふふ、可愛い』

全世界に発信したい
Aは俺のものです
俺の愛する人なんですって…

そんなことはしちゃいけないって分かってる

でも俺だってAと
お似合いだって言われたいんだ

紫「今日もアップする？」

　『映画の宣伝も兼ねてるから
　暫くは毎日アップすると思う』

紫「だったら今日は
　俺とのツーショットにして」

　『……え？』

紫「俺も…Aとお似合いって言われたい」

　『………』

紫「……ダメ…だった？」

眉を寄せて苦しそうに見つめるA

無茶なお願いをしてしまったのかもと
慌てて謝ろうとしたら

　『………どうしよう…抱きしめたい』

耳を赤く染め
泣き出しそうな顔を隠すように
Aは俺の胸に顔を埋める

　『どこまでも…紫耀を好きになる』

紫「俺もだよ、Aを好きな気持ちに
　きっと上限なんて無い」

　『……大好き、紫耀』

紫「俺の方がもっと好きだよ」

二人で笑みを零すと同時に寄せ合った唇に
またお互いの想いを重ねた

この愛を手離そうとした
自分を引っ叩いてしまいたい

どうしたって惹かれ合う俺たちに
もう障害なんて作らない
Aが繋げてくれた愛を
今度は俺が守り抜いてみせるから

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