深愛モラトリアム【2】 (ページ24)

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　『紫耀にそんな顔をさせるメンバーさんに
　私の方が嫉妬しちゃうかも』

紫「………」

　『…ご、ごめんなさい
　変な空気にしちゃった？』

二人で会話をしている気で居たけれど
気が付けばメンバーの４人も
黙って俺たちの会話を聞いていた

神「く〜っ！！嫉妬しちゃうかもって！」

神はテーブルを音を立てて叩き
何故か一人で身を捩らせていた

廉「あかん、神が壊れたわ」

海「良いな、俺も言われたい」

岸「Aちゃんは紫耀への気持ちは
　素直に口に出すよね」

　『…そうですか？恥ずかしいです』

本当にそう思う
言いたいことも言えずに
意地悪をされても泣くだけだったA

でも俺への気持ちだけは
はっきりと言葉にして伝えてくれる

本当に可愛い自慢の彼女
やっぱり早く二人きりになって
Aを抱きしめてしまいたい

こんなことを心の中で思ったはずなのに…

紫「…………抱きたい」

　『……え？』

…あれ？…俺、今…何か言った？

目の前のAは恥ずかしそうに俯き
メンバーは驚いて固まっている

紫「ち、違う！抱きたいじゃなくて…」

海「みんな！解散！」

廉「岸さん、会計！」

岸「えぇ！？俺の奢り？」

神「待てよ、紫耀
　今すぐにタクシーを呼んでやるから」

紫「いや、待って！」

慌ただしく解散の準備を始めるメンバー
図らずとも溢れた心の声を訂正しようとした

だけど、隣に居たAが
テーブルの下で俺の膝に手を乗せ
上目遣いでこんな言葉を囁く

　『………良いよ、帰ろう？』

メンバーの前だから心の中で耐えていたのに
彼女の甘い誘いの一言で全てを忘れてしまい
思わずAを抱きしめていた

神「紫耀〜！！まだ我慢して！」

我慢？…そんなの無理だよ

だって再会前には知らなかった
新しいAへの好きを
また知ってしまったんだから

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【心の声】おわり