深愛モラトリアム【2】 (ページ22)

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after story【心の声】ページ22

紫耀side

神「Aちゃん、これも食べて」

廉「Aちゃんのジュース来たで」

海「デザートもいっぱいあるよ」

　『…あ、ありがとうございます』

岸「ほら、Aちゃん困ってんじゃん」

都内にある真新しい焼き肉屋さん

廉が見つけたという店にメンバーと
それから彼らの希望でAを誘って
６人で訪れていた

紫「みんな距離が近いんだけど」

海「良いじゃん、Aちゃんとは
　これから長い付き合いになるんだから」

廉「そうやで、二人は
　一緒に暮らし始めたんやろ？」

紫「そうだけど」

神「二人の関係を守る為にも
　情報は共有しておいた方が
　良いと思うんだけどな」

　『ありがとうございます、みなさん』

岸「なるほど」

彼女は感動したように感謝を伝え
何故か岸くんも納得しているけれど
俺には３人の顔に
興味津々と書いてあるようにしか思えない

海「ねぇ！紫耀のどこが好きなの？」

　『…え？』

紫「何を聞いてるんだよ」

神「良いじゃん、紫耀も聞きたいでしょ？」

それは…勿論、聞きたいんだけどね

好き、大好き、愛してる
こんな言葉はいつだって二人の間では
何度も交わしていたけれど
詳しくどこがなんて
今まで聞いたことが無かったのだから

　『…えっと…どこがっていうのを
　一つ挙げるのは難しくて』

恥ずかしそうに４人の顔を
少しずつ見渡しながら
Aは律儀に質問に答えてくれた

　『だからといって嫌いなところも
　見つけられないんです
　きっと紫耀という存在が
　丸ごと大好きなんだと思います』

４人に送っていた視線を
最後に俺の元へと留めると
照れた瞳で俺を見つめているA

メンバーの前で
はっきりと言葉にしてくれた嬉しさ
恥じらう彼女の可愛さに
今すぐにAを強く抱きしめたくなる

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