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美「…永瀬もこういうイベント来るんだ」
廉「俺はAを迎えに来てん
このイベントはAと紫耀の会社が
企画したイベントやから」
美「仕事で再会したって言ってたね」
廉「紫耀から聞いた?」
美「聞いたのはAだよ
私は紫耀とは別れてるから」
廉「…え?…そうやったん?」
美「Aから聞いてない?」
廉「…あぁ、うん」
美波と再会したことも
二人が別れていることも
俺は何も聞いていなかった…
美「やっぱり…そうなんだ…」
廉「…え?」
美「私たちが別れたこと
Aはすごく嬉しそうにしていたの
運命の相手と今度は一緒に居れるって
だから都合の悪いことは永瀬に
隠すんじゃないかって思ってたんだよ」
美波の言葉は
俺の不安やった心を更に揺らした
揺れて傾きそうな不安を
今にも口に出してしまいそうになる…
でも…俺は…それでもAが好きやから
美「私は永瀬の味方だよ
だから私たち昔みたいに…」
廉「悪いけど美波の言葉は信じへん」
美「…どうして?
あの時…私が嘘を付いたから?」
廉「美波が嘘を付いていたからじゃない
ただ俺はAから聞いたことだけを
信じたいだけやねん」
美「………」
廉「じゃあな」
強がって振る舞っていたけど
ほんまは崖っぷちに立ってるみたいに怖い
たった一歩進むだけで
どこまでも落ちて行きそうで不安やけど
それでも落とされてしまうなら
Aの手で落として欲しいと思うんよ…
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staff onlyと書かれたテントの入り口
勝手に開けて良いものかと躊躇っていると
中からではなく
テントの裏側から人の気配を感じた
何故かすごく嫌な予感がして
それは見てはいけないような気がするのに
足が勝手に音を立てずに近づこうとする
この予感が外れて欲しいと
覗き込んだテントの陰…そこで見たのは
紫耀がAを抱きしめている姿やった…
ドクッと体中の脈が跳ね上がる感覚がして
震えた指先から糸がすり抜け
赤い風船が空へと舞い上がって行った
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莉衣子(プロフ) - enaさん» 嬉しいコメントをありがとうございます!是非他のお話も読んでみて下さいね😄 (2023年1月14日 22時) (レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
ena(プロフ) - 初めて占ツクで泣いた、、、、めっちゃ良かった、、、、 (2023年1月14日 15時) (レス) @page46 id: 9602eac128 (このIDを非表示/違反報告)
莉衣子(プロフ) - ぬれおかきさん» こんにちは。泣いて頂けるなんて嬉しい限りです!是非また読んでやって下さい。他のお話もお暇な時にでも覗いてみて下さい!ありがとうございました😄 (2022年6月12日 21時) (レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
ぬれおかき - こんにちは!この小説初めて読んだんですけど、主人公に感情移入しすぎて号泣しちゃいました😭 主さん天才ですね!この小説が恋しくなったらまた読みに来たいと思います笑😁 (2022年6月12日 18時) (レス) @page46 id: e9500e9e81 (このIDを非表示/違反報告)
莉衣子(プロフ) - ノンさん» ドラマと設定が一部だけ似てると思い公開を控えていましたけど全く違う展開でしたので公開しました。だからドラマが元ではなくて一応オリジナルです😊 (2022年6月4日 10時) (レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:莉衣子 | 作成日時:2022年4月5日 10時