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.
紫「あっ！そうだ」
打ち合わせを終えて
机の上の資料を片付けていると
紫耀くんは何かを思い出したみたいで
声を上げながら鞄の中を漁っていた
紫「忘れるところだったよ
マスコットのサンプルが出来たんだ
岸さんが一つAちゃんに
プレゼントしたいって預かってたの」
鞄から取り出してくれたのは
資料などでよく見るKP食品の
王様をモチーフにしたキャラクターだった
『可愛い、子供が喜びそうだね』
紫「岸さんにそれを渡されたんだけど
赤で良かった？
他にも色々な色で作ったんだよ」
『ありがとう、赤が良いの
岸さん好きな色を覚えてくれてたんだ』
紫「…Aちゃん、赤が好きだっけ？」
『うん、赤が一番好きかな』
紫耀くんは不思議そうに首を傾げると
今度は難しそうな顔をしていた
紫「…記憶違いかな？
Aちゃんはピンクが好きだと思ってた
ほら、ヨーヨーをあげたの覚えてる？」
４人で行った夏祭りの記憶
閉じ込めていた甘酸っぱい思い出を
６年ぶりに思い出すと
紫耀くんの質問の意味がやっと分かった
『あれは美波も赤が好きだからだよ』
紫「美波が好きな方を残す為？
もしかして…リンゴジュースも？」
『私たち好きなものが一緒だったから
美波が欲しいものが分かったんだ』
紫「……そうだったんだ」
『美波が喜んでくれると嬉しくて
ただの自己満足だったんだけどね』
紫「………」
『あっ！次の打ち合わせがあるから行くね
紫耀くん、お疲れ様でした』
紫「…うん、お疲れ様」
次の打ち合わせ時間が迫り
私は紫耀くんを残したまま
急いで応接室を後にした
.
だけど…私はもっとあの頃の記憶を
思い出すべきだった
紫耀くんと美波が
想いを確かめ合っていた時の記憶
そして再会してから感じた
言葉に出来ない不思議な違和感
それに気付いていれば
自分がみいちゃんだと疑われてしまう
こんな話は口にしなかったんだ
私がこの時に気付いてさえいれば
あの人に涙を零させることは無かったのに…
.
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莉衣子(プロフ) - enaさん» 嬉しいコメントをありがとうございます！是非他のお話も読んでみて下さいね😄 (2023年1月14日 22時) (
レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
ena(プロフ) - 初めて占ツクで泣いた、、、、めっちゃ良かった、、、、 (2023年1月14日 15時) (レス) @page46 id: 9602eac128 (このIDを非表示/違反報告)
莉衣子(プロフ) - ぬれおかきさん» こんにちは。泣いて頂けるなんて嬉しい限りです！是非また読んでやって下さい。他のお話もお暇な時にでも覗いてみて下さい！ありがとうございました😄 (2022年6月12日 21時) (レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
ぬれおかき - こんにちは！この小説初めて読んだんですけど、主人公に感情移入しすぎて号泣しちゃいました😭 主さん天才ですね！この小説が恋しくなったらまた読みに来たいと思います笑😁 (2022年6月12日 18時) (レス) @page46 id: e9500e9e81 (このIDを非表示/違反報告)
莉衣子(プロフ) - ノンさん» ドラマと設定が一部だけ似てると思い公開を控えていましたけど全く違う展開でしたので公開しました。だからドラマが元ではなくて一応オリジナルです😊 (2022年6月4日 10時) (レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莉衣子
| 作成日時：2022年4月5日 10時
