誰かの運命の恋【1】

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美「違うの、Aは悪くないの…
　 ただ私が紫耀と付き合ったから
　 嫉妬しちゃっただけなんだよ」


　『……え？』


美「最近、私を避けてたのもそれが原因
　 でも仕方ないの…
　 だってAは紫耀が好きだったから」









私が美波を傷付けていたと取れる言葉や
最悪のタイミングで伝えられた私の想い




紫耀くんを信じて隠し続けた想いなんて
無かったことになり
好きだった人を奪われて
美波を傷付けていると
理解してしまった紫耀くんの目は




子供の頃の屈託のない笑顔
再会して向けられた優しい微笑み




そんなものを微塵も感じさせないほど
軽蔑したように私を捉えた








紫「Aちゃんの気持ちは有難いけど
　 だからって美波を泣かせないで」


　『……違う…ちが…』


紫「言ったよね、美波は運命の相手だって
　 俺の大切な人を傷つけるのは許せない」








初めて見た紫耀くんの冷たい目は
私と彼の間には守り続けていた運命の恋が
その欠片すら残っていないんだと教えてくれた







もう…終わりなんだ…




私がみいちゃんだと言ったところで
きっと紫耀くんは私の言葉を…信じない…







廉「紫耀！違うねん！
　 Aちゃんの話を聞いてあげてくれ！」


　『廉くん！！』


廉「……Aちゃん？」


　『…もう良い……もう良いよ…』







これ以上は何も変わらない
変えられるとしたら私の傷が広がるぐらい





そんなこと…もう耐えられないんだよ…








紫「…もう良いなら行くね」








壊れものを扱うみたいに大切に
美波の肩を抱き寄せ
紫耀くんは出口へ向かった





その姿を見ても
私は何も言葉は出なかった…








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