◇ ページ41
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元々は名前も知らないくらい
関わりもない私たちだったから
学校に居ても会うことはなかった
でも私は気がつけば無意識に
あの鮮やかな金髪を探してしまっていた
…何してるんだろ
最低なことをしたのは私なのに
今更、探したって…どうにも出来ないんだよ
.
あれから２週間ほどが経っても
未だに後悔から抜け出せなかったある日
昼休みにトイレから
教室に戻ろうとしていたら
廊下の向こうから歩いてくる群れに
あの金髪を見つけてしまった
いつだって探していたくせに
彼を見ていて良いのかも分からなくて
俯いて通り過ぎようとした
だけど…
紫「A」
聞き慣れていた声に呼ばれて振り返ると
群れの中から紫耀くんが
こちらに向かって歩いて来る
紫「何か久しぶりだね」
『…うん、そうだね』
紫「ちょっと待っててね」
『…え？…うん』
もう話しても貰えないと思っていたから
声を掛けられただけで嬉しかった
でも彼が私を呼び止めた理由は
思いがけないものだった
紫「廉、ちょっと来て」
私がラブレターを渡すはずだった人
その人を群れの中から呼び寄せる
廉「何？紫耀…えっと…誰？」
紫「俺の友達のA」
『…Aです』
…友達…そうだよね、友達
頭では分かっているのに
いざ、その言葉を聞くと胸に何かが刺さった
紫「A、可愛いでしょ？」
廉「え？…うん、まあ」
紫「めちゃくちゃ良い子だから
廉も仲良くしてあげてよ」
廉「ふふ、良いよ
珍しいな紫耀がそんなん言うのん」
紫耀くんが呼び止めた理由は
私と永瀬くんを近づける為だった
私の言えなかった想いを知って
その想いを応援しようとしてくれてるんだ
でも…どうしてだろうね？
ラブレターを出すほど好きだった人と
初めて話が出来たのに
私の中に喜びの感情は姿を見せなかった
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莉衣子(プロフ) - しおりさん» 泣いてもらえるなんて嬉しいです！短編集の紫耀くんは幸せな話が少なかったので最後はハッピーエンドに出来て良かったです！ (2021年3月31日 8時) (
レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
莉衣子(プロフ) - こあさん» ありがとうございます！個人的に短編集が難しかったから、そう言ってもらえて嬉しいです。書き始めて良かったです！！ (2021年3月31日 8時) (レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 最後のラブレターのお話で、短編だったのに見事に泣いちゃいました、、、主人公ちゃんと平野が幸せになって良かった、、、 (2021年3月31日 0時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
こあ(プロフ) - 完結、おめでとうございます。莉衣子さんの短編集どの話も大好きです。最後の２つも最高でした！！！ (2021年3月30日 23時) (レス) id: f6c76a4ec8 (このIDを非表示/違反報告)
莉衣子(プロフ) - かいとんさん» かいとんさん、コメントありがとうございます。そしてリクエストもありがとうございました！海ちゃん褒められるのホンマ嬉しい、短編集じゃなく一つのタイトルでまた海ちゃん書きますね！玄樹くんのことは朝起きても悲しみは消えませんが彼の幸せを祈りたいです。 (2021年3月30日 8時) (レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莉衣子
| 作成日時：2021年1月6日 8時
