◇ ページ13
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海「ほら、紫耀が待ってるよ」
海人が指差す方へ視線を向けると
浜辺へ降りる階段に
紫耀が座ってるのが見えた
最近は海に来ると紫耀はいつもその場所で
私が帰るまで待っている
『最近、紫耀も変なんだよ
前より過保護になったの』
海「紫耀はAが大切だからだよ』
『分かってる、でも私は海人が…』
海「俺はまだ練習をするから
Aは紫耀のところに行って」
『…え？待ってよ！海人』
私の呼ぶ声も虚しく
海人はまた海へと入って行ってしまった
…どうして？…どうして…そんなこと言うの？
大会で優勝したら
気持ちを伝えてくれるんじゃなかったの？
やっと自分の気持ちに気付けたのに
海人が離れて行く気がして…怖いよ
.
階段をゆっくり上がると
紫耀は私の手を掴み黙って歩き出した
紫耀は私を家に送り届けるまで
何も話さなかった
皆…どうしちゃったの？
何かおかしいよ…
それとも…私がおかしいの？
何かが変わり始めているのか
何かが終わり始めているのか…
胸の中の違和感を拭えないまま
私の元に悲しい知らせが届いた
母「大会の中止が決まったみたい」
あの台風の日の事故を受けて
今年のサーフィン大会の中止が決まった
海人はあんなに練習して頑張っていたのに…
彼の気持ちを想うと
居ても立っても居られなくなって
私はまた家を飛び出していた
海沿いの堤防に沿って走る
空はオレンジ色で
地平線に向かって夕日が沈み始めていた
だけど…私の行く手を阻むように
浜辺に続く道で紫耀が立っていたんだ
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莉衣子(プロフ) - しおりさん» 泣いてもらえるなんて嬉しいです！短編集の紫耀くんは幸せな話が少なかったので最後はハッピーエンドに出来て良かったです！ (2021年3月31日 8時) (
レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
莉衣子(プロフ) - こあさん» ありがとうございます！個人的に短編集が難しかったから、そう言ってもらえて嬉しいです。書き始めて良かったです！！ (2021年3月31日 8時) (レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 最後のラブレターのお話で、短編だったのに見事に泣いちゃいました、、、主人公ちゃんと平野が幸せになって良かった、、、 (2021年3月31日 0時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
こあ(プロフ) - 完結、おめでとうございます。莉衣子さんの短編集どの話も大好きです。最後の２つも最高でした！！！ (2021年3月30日 23時) (レス) id: f6c76a4ec8 (このIDを非表示/違反報告)
莉衣子(プロフ) - かいとんさん» かいとんさん、コメントありがとうございます。そしてリクエストもありがとうございました！海ちゃん褒められるのホンマ嬉しい、短編集じゃなく一つのタイトルでまた海ちゃん書きますね！玄樹くんのことは朝起きても悲しみは消えませんが彼の幸せを祈りたいです。 (2021年3月30日 8時) (レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：莉衣子
| 作成日時：2021年1月6日 8時
