30 ページ30
.
海「コイツだよ」
たった今まで
いつもの笑顔だった海人の瞳から
光が消えていく気がした
そして掴んでいた先輩の腕を強く押し
その場に突き飛ばした
拘束されていて
身を支えることの出来ない先輩は
地面に叩きつけられるように倒れ込んだ
紫「先輩！」
咄嗟に先輩に駆け寄ろうとした俺に
海「動かないで！
勝手なことしたら撃つよ？」
目の前に居るのは海人なのに
別の誰がであって欲しくなる
だってあの可愛かった海人は
今はその銃口を俺に向けているのだから
真っ黒な虚なその瞳から
まるで感情なんて読み取れなかった
先「俺が何をしたんだよ！」
海「やっぱり気づいてないんだ？
俺の顔、忘れちゃった？」
先「はっきり言えよ！」
まだ海人から何も聞かされていないのか
先輩は理不尽な扱いに苛立ちを見せる
紫「…海人」
海「紫耀、コイツはね
俺の家族を殺したの」
紫「…え？」
海人の言葉に俺だけでなく
先輩も同じように驚きの表情をしている
先「……」
海「心当たりあったでしょ？」
前の俺なら先輩を庇っていただろうけど
先輩への微かな疑惑を抱いていたせいか
早くその真実が知りたいと思った
だから、この重苦しい空気の中
海人から次の真実が話されるのを
ただただ待っていたんだ
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 315人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
莉衣子(プロフ) - mさん» 嬉しいコメントありがとうございます！先輩のコメント分かります！注目ポイントがレアです！笑 (2021年1月3日 10時) (
レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 夜中に読んで号泣しました。感動して苦しかったです。先輩の状況考えたら笑ってしまったというコメントを読んで夜中に1人で笑ってしまいました笑 (2021年1月3日 2時) (レス) id: 1f41c84c0a (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 莉衣子さん» 平野さんが二人を死なせてから後追いしたなんて思われてしまったら悲しいので、先輩がきちんと真実を話してくれる事を祈っています。笑 (2020年7月23日 12時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
莉衣子(プロフ) - しおりさん» 確かにそうですね。自業自得かもしれませんね。 (2020年7月23日 10時) (レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
しおり(プロフ) - 莉衣子さん» ただ、両手足縛られたまま放置されてその場に居た人が全員死んでしまった先輩、、、想像したら不謹慎ですけど少し笑ってしまいました。 (2020年7月22日 21時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：莉衣子
| 作成日時：2020年7月11日 11時
