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Aside









1年ぶりに触れた勇太の手は温かくて
しっかりと生きてるんだと実感した




生きてるのに…
勇太はこうして生きてくれているのに…





 『勇太…会いに来てくれてありがとう
  勇太のおかげで私はここに来れたよ
  私信じる…勇太を信じてる
  いつまでも待ってるから
  二人であの願いを叶えようね』





勇太は手に入れた魔法を使って
私に会いに来てくれたんだよね



私を選んで来てくれたんだよね



勇太、私はここに居るよ…



また私のところに会いに来てくれる?
今度こそ私はあなたを待ち続けるから






目を閉じる彼の顔に触れて
またその温もりを確かめる



彼が生きている証を
指先に感じるだけで嬉しくて



もっと勇太の顔を見ようと
目に掛かっていた髪を払う為に
ゆっくりなぞるようにおでこに触れた






すると、くすぐったそうに
僅かに眉が動いた気がした



勇太はいつも髪に触れると
くすぐったいと笑ってた




また記憶が戻った…?






だけど…






今、手に触れたこの感触は…





 『……勇太?』





期待しちゃダメと思いながらも
勇太の手を試すように強めに握っていた





そして…今度は確かに…




 
 『…玄樹くん、勇太が手を握った…』


玄「え?…神宮寺!神宮寺!」






驚いた玄樹くんの大きな声に
反応するように眉がまた微かに動く





玄「俺、先生を呼んでくる!」





ドアに向かい走りながら言い放つと
玄樹くんは慌てて病室を出て行った




機械の音だけ響く中
私を呼ぶように優しい力で
手がもう一度包み込まれたんだ





.

29 おわり→←27



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莉衣子(プロフ) - きゅんさん» 初めまして。是非他のも読んでやってください!ありがとうございます。 (2021年1月10日 9時) (レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
きゅん(プロフ) - はじめまして。読んでいくうちにどんどん引き込まれていって、最後には涙が溢れて止まりませんでした。莉衣子さんの作品他のもぜひ読ませていただきます! (2021年1月10日 1時) (レス) id: 530e3ffe95 (このIDを非表示/違反報告)
莉衣子(プロフ) - Nさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます。 (2020年6月26日 13時) (レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)
N(プロフ) - すごい泣きました。素晴らしい作品、ありがとうございました。 (2020年6月26日 12時) (レス) id: 909ed19fee (このIDを非表示/違反報告)
莉衣子(プロフ) - pipi_kpさん» コメントありがとうございます。読んで下さって嬉しいです。 (2020年6月24日 0時) (レス) id: b19a23a34c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:莉衣子 | 作成日時:2020年6月20日 10時

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